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【書評】岡島悦子「40歳が社長になる日」 〜社長になるためにすべきことを紹介〜

40歳の社長にどのような印象を持つでしょうか。
ベンチャー企業なら、このぐらいの年齢の社長はいくらでもいますよね。
ただ、大企業だとどうでしょうか?
若すぎると思うのでは無いでしょうか?

ただ、これからの変化の激しい社会では、大企業でも40歳の社長が普通になってくるという本書の仮説です。
そして、40歳で社長になるために、40歳までに為すべきことを本書で紹介しています。
社長になりたいと思っている人に限らず、将来の自分のポジションに少しでも不安を感じている人におすすめの本です。
今すべきことが見えてきます。

 

本の紹介

40歳が社長になる日 (NewsPicks Book)

40歳が社長になる日 (NewsPicks Book)

 

著者「岡島悦子」氏は、三菱商事、ハーバードMBAマッキンゼーグロービス経営陣を経て、2007年プロノバ(プロの場)を設立した方です。
経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロとして知られ、数々の大企業で社外取締役を担当されている凄い方です。
本書では、そんな育成のプロが、社長になるためにすべきことを紹介しています。

 

印象的なポイント① 変化に対応するには場数を踏むしか無い

私は岡倉天心が残した「変化こそ唯一の永遠なり」という言葉がとても好きです。
とりわけ大きな会社に入っている人たちの中には、不安症候群で、変化がそこはかとなく不安、という人も多いでしょう。自分はいつか陳腐化するのではないか、だから自分の知らないことを知らなければ、という恐怖感、不安感におそわれて、もっとラクな道があるなら、正解の方法を教えてほしい、と思うかもしれません。
しかし、それはないのです。
唯一あるのは、経験すること、場数を踏むことです。それを踏むことで、変化は怖いものではなくなります。実際、同じ30歳でも場数の踏み方で成長にすでに大きな差が出てきています。そういう現実があることを、ぜひ知っておいてほしいと思います。
本気で40歳で社長になることを意識して、自ら機会を開発し、修羅場経験を積んでいく、そんな若手社員が増えれば、日本の大企業でも必ず40歳社長が生まれるはずなのです。

例えば、40歳、50歳になった時に、突如新しい部署に異動や、新しいことをしないといけない等、将来の大きな変化に対する不安はないでしょうか。


私は、このような将来の変化に対する不安感を無くす方法は無いかとよく考えていましたが、本書でその答えに出会うことができました。

将来の変化に対する恐れを無くすためには、とにかく場数を踏むしか無いのですね。
今が何歳であったとしても、10年後、20年後の変化に対し、怯えずに済むように、多少のリスクを犯してでも、場数を踏める経験にチャレンジしていきたいと思いました。
仮に失敗しても、10年後、20年後に何もできない自分のままで、ビクビクしているよりは、マシなはずです。
「まずやってみる」という意識を持ち、積極的にバッターボックスに立ち続ける姿勢を持ちたいと思いました。 

印象的なポイント② 自分の強みを実践で裏付ける

自分の強みを明確に認識し、自分にタグをしっかりつけます。このタグはなぜ強みになり得るのか、それを立証できるエピソードが「コンテンツ」です。
そのコンテンツをベースに仲間を広げ、タグについての情報を流通させる。流通したタグによって、活躍の機会を与えてくれる意思決定者の脳内検索エンジンに名前が「想起」され、抜擢される。その機会に挑戦した結果として成長し、新たな「タグ」が獲得でき、上位人脈レイヤーに浮上してくことができる、という機会開発のサイクルです。
実際、タグをつけることは、機会開発につながっていきます。例えば、社内で何かのプロジェクトがスタートすることになったとき、どんな人が抜擢されることになるか。それは、そのプロジェクトにおいて、強みを発揮してくれそうだ、と思える人でしょう。すなわち、強みがはっきりしている人なのです。

「自分の強みを見つけよう」というテーマはよく目にしますが、本書の「強みを立証できるエピソード」、「機会に挑戦した結果として、新たなタグを獲得」というフレーズが印象に残りました。


このフレーズから、自分の強みには、実際の行動が伴っていなければならないと気づかされました。
勉強だけして、「これができる」、「これが自分の強みだ」と思ってしまうことがよくありますが、実績を得るために、実践する機会にチャレンジする必要があるということですね。


これから強みを見つけていくにあたり、勉強計画と実践計画をセットで立てる重要性に気づくことができました。

 

印象的なポイント③ 心のスイッチを押す共感力を高める

最近、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグハーバード大学の卒業式で行ったスピーチが話題となりました。「すべての人たちが、人生に意義を感じられる目的感を持てる世界をつくろう」というテーマです。
理想主義的すぎる、との批判もあるようですが、「より良い社会をつくる」のは他ならぬ「自分たちの役割」という部分が、ミレニアル世代の大きな「共感」を呼んでいるようです。
物語力というと単純ですが、意義という概念だけでなく、概念の背景にある「手触り感のある物語」「自分も追体験できるような物語」というものが、人々の「心のスイッチ」を入れているのではないか、と私は考えています。
「心のスイッチ」を入れる、という点で、多くのリーダーに求められているのは、プロファイリング力と想像力でしょう。顧客、従業員、その他すべてのステイクホルダーのプロファイリングを行い、その対象者のモチベーションの源泉が何かを想像する力です。

「心のスイッチ」という言葉が印象的です。
メンバーにもリーダーの目標に共感してもらえるように、適切な言葉を選び、心のスイッチを入れる必要があるのですね。
メンバーの心のスイッチを入れるために、日頃からメンバーのモチベーションの源泉を想像し、コミュニケーションを取ることが重要であると気づかされました。 

 

まとめ

本書を読むと、積極的にチャンスを掴みにいきたくなるのでは無いでしょうか。
とにかくモチベーションが上がる本でした。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

40歳が社長になる日 (NewsPicks Book)

40歳が社長になる日 (NewsPicks Book)