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【書評】ハロルド・シドニー・ジェニーン「プロフェッショナルマネジャー」 〜真の経営者になるための条件を紹介〜

本書のタイトルは「プロフェッショナルマネジャー  ~58四半期連続増益の男」です。
「58四半期連続増益」は凄まじい記録ですよね。
本書を読むと、筆者ハロルド・ジェニーン氏が、まぐれでこの偉業を成し遂げたわけではないことがよく分かります。

ユニクロ柳井正社長が「これが私の最高の教科書だ」とオススメするのも頷ける、非常に濃密な内容の本でした。
経営者だけでなく、マネージャと名のつく全てのポジションの人にオススメの本ですので、是非読んでみてください。

 

本の紹介

プロフェッショナルマネジャー

プロフェッショナルマネジャー

 

著者「ハロルド・シドニー・ジェニーン」氏は、かつての巨大コングロマリット米ITTの社長兼CEO(最高経営責任者)として58四半期連続増益を成し遂げた方です。
本書には、ハロルド・ジェニーン氏の経営ポリシーがふんだんに盛り込まれています。
経営者とはどうあるべきかを教えてくれる凄まじい本でした。

 

印象的なポイント① 経営とは「目標を達成するまで試み続けること」である

ビジネスには常時さまざまの問題があり、マネジャーの仕事はそれらを解決することである。たとえば、ある問題を解決するのにニニ通りの方法を試み、それでもまだ成功しなかったら二三番目の方法を試みなくてはならない。いずれにせよマネジャーは、「必要なら私は会社で徹夜でもしよう。しかし、この問題は必ず解決してみせるぞ」という態度でいなくてはならない。

会社の他の人が諦めても、経営者だけは諦めることが許されないということなのですね。
どんな時でも、問題に屈せずに、不屈の闘志を持ち続けるのは並大抵のことではないと思います。
さすが、58四半期連続増益を達成した経営者です。


企業経営者に限らず、マネージャという肩書きを持つすべての人にとって、諦めないことは大事な姿勢ですよね。
他のどんなスキルも、この諦めない気持ちが無いと、困難な局面では役に立たないのでしょう。
どんな苦難でも、問題を絶対に解決するという闘志を失わないようになりたいと思います。

 

印象的なポイント② 良いマネージャは「効果の有無を嗅ぎ分ける直感」を身につけなければならない

良い経営とは、問題が起こった時にそれを解決するだけではない。良い計画は、将来起こりそうな問題の予見と、それらを回避するためにとるべき手段と、事前に回避することができなかった場合には、ただちにそれらを処理する方策を包含していなくてはならない。良いマネジャーは経験から学び、ひとつの会社なり事業部を統率するようになった時には、やって効果のあることと、ないことを嗅ぎ分ける一種の第六感を身につけていなくてはならない。さまざまな選択の中から最善のコースを選ぶことができるように、状況と問題と人間的要素を分析する能力をそなえていなくてはならない。そして用心深い人間であれば、最初のやり方が失敗したら、つぎに打つ手を準備していなくはならない。

良いマネージャになるためには、直観力を身につける必要があるのですね。

直観力は、一朝一夕で身につくものではない、習得が難しいスキルだと思います。
では、どうしたら直観力が身につくでしょうか?

直観力は単に当てずっぽうを言う能力ではないはずです。

直観力を身につけるためには、とにかく多くのことを経験することが、まずは大事でしょう。
その上で、一つ一つの課題に当てずっぽうに対応するのではなく、各課題に対して、仮説・検証を繰り返し、「なぜ上手くいったか」、「なぜ駄目だったか」という因果関係の情報をストックしていくことが必要だと思います。

直観力を鍛えるためにも、日々の仕事で仮説検証を繰り返すように気をつけたいものです。

 

印象的なポイント③ 経営判断には「数字」に真剣に向き合う姿勢が欠かせない

数字相手の苦行は、じつは自由への過程なのだ。くる週もくる週も、くる月もくる月も、そうした数字の行列と付き合っていると、記憶とそれらへの親近感が増進され、その会社で起こっていることの生き生きとした構図が、前に起こったことと-そしてさらに重要なこととして-将来起こる可能性のあることと重なって、頭の中で合成されてくる。そして自分はしっかり物事を管理している、予測との格差にも気づいているという自信が、それがなかったら不可能なことを自由におこなえるようにしてくれる。恐れることなく進んで新工場を建設し、リスクを蔵した研究開発に資金を注ぎこみ、あるいは他の会社を買収するなど、それを確信をもってやることができる。

会社の状態を正しく掴むためにも、適切な対策を打つためにも数字を正しく掴むことが大事なのですね。
経営者になるために、財務諸表等の読み方を学ぶ必要性を痛感させられました。
筆者のように、とにかく努力して、数字の意味が自然とわかる境地に達したいものです。

まとめ

本書を通じて、経営者になるためには、不屈の精神が必要だと気づかされました。
そして、社会人たるもの、数字を正しく理解できるように勉強が必要だと思わされました。 
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

プロフェッショナルマネジャー

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