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【書評】佐々木常夫「部下を定時に帰す仕事術」 〜働き方改革時代のリーダーが目指すべき姿を紹介〜

 「部下を定時に帰す」と聞いて、どう思いますか?

「自分の会社だと仕事が多すぎて、できるわけがない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そういった方にこそ、是非本書を読んでいただきたいと思います。

プライベートにより様々な制約があった佐々木常夫氏が、どうやって個人と組織の仕事を効率化しているかが分かります。
また、佐々木常夫氏の仕事やプライベートに対する考え方も紹介されており、全てのビジネスパーソンに役立つはずです。

 

本の紹介 

部下を定時に帰す仕事術 (ポケット・シリーズ)

部下を定時に帰す仕事術 (ポケット・シリーズ)

  • 作者:佐々木常夫
  • 出版社/メーカー: WAVE出版
  • 発売日: 2013/03/20
  • メディア: 新書
 

著者「佐々木常夫」氏は、東大経済学部卒業後、東レ入社。
東レ同期トップで取締役となり、その後、東レ経営研究所社長になられた凄い方です。
様々な名著の執筆もされています。
本書では、佐々木常夫氏の「働き方」「考え方」が紹介されています。 

 

印象的なポイント① 組織としての生産性を最大化する

P36

大きな方針をトップダウンで提示しておいてから、その方針に従って現場に作業させるほうがずっとスピードが上がります。
いきなり計画策定の仕事をおろされた現場にすれば、方向性もなにもないわけですから、どうしても手間と時間がかかってします。ルーチンワークに加えてそうした仕事を押し付けておいて、「残業するな」といってもムリがあるでしょう。

本書のタイトルにもなっている「部下を定時に帰す」ために、佐々木常夫氏が常によく考えて仕事をされている様がよく現れているトピックです。
「部下に定時に帰らせる」ためには、組織としての生産性を最大化する必要があります。


あなたの会社では、本来上層部が方針を決めるべき課題に対して、方針が決まっていないにも関わらず、課題が現場に降りてきたという経験はないでしょうか?
当然、現場では方針を決めようがないので、混乱して、無駄な検討作業が発生しますよね。


佐々木常夫氏は、このような混乱による無駄な作業が発生しないように、よく考えて仕事をされています。
会社の課題に対して、「上層部で考えるのが効率がいいか」、それとも「現場で考えるのが効率がいいか」を常に考えて、仕事に取り組まれています。


会社の上層部のメンバーが、このような意識で仕事に取り組めば、組織としての生産性がどんどん上がっていきそうですね。

 

印象的なポイント② 在任中に何を成すべきか決める

P55

私はいつも着任したときに、「その職場の在任中に何を成すべきか」という自分自身のミッションを決めて、できるだけ早く達成する方策を考え、業務に臨む癖がついていきました。こうすることで、それぞれの職場における職責を、最大限に果たすことができたと考えています。

偉くなる人は、自分自身に課題を設定する力が非常に優れていますね。
課題意識を持たないまま漫然と仕事しないように工夫されている姿勢がよく現れています。

「どんなことに対しても、何か先手を打って対応できることはないか?」
佐々木常夫氏は、このことを常に意識して生活されているように感じました。

「先手必勝」という姿勢を是非とも真似したいものです。 

 

印象的なポイント③ 長時間労働はプロ意識の欠如の現れである

P86

3.会社はプロの社員を求めているが、プロとは限られた時間の中で、いかに効率良く成果を出すかである。そのために事前の周到に考え抜かれた作業プログラムと最短コースで仕事を完遂させる能力が、日々試されている。成り行きにまかせ、ただやみくもに時間をかけるのはプロのやることではない。
4.多くの残業を続ける結果、自分の健康を損ねたり、大切な家族とのコミュニケーション不足というマイナスが生ずるリスクを考えないことに想像力の欠如を感ずる。
5.また、仕事以外の活動が、その人の人格形成に役立ち、幅広い仕事に繋がるはずなのに、そのことに目を向けない向上心の欠落もみられる。

「残業・休出問題」について、佐々木常夫氏の考えが示されています。
耳の痛い指摘ですが、きちんと向き合うべき指摘です。


「自分はどこまで真剣に生産性向上を考えて仕事に取り組めているか」
「プライベートをおろそかにしていないか」
「仕事外で成長する機会を持てているか」
といったことを、意識して日々を過ごすのと、意識せずに過ごすのとでは10年後の自分の姿は全く違ったものになるはずです。


上記以外の項目も非常に勉強になるので、是非読んでみてください。

 

まとめ

本当に目からうろこの情報が多く紹介されており、多くのことが学べる本です。
自分自身の立場によって、本書の見え方は変わってくると思いますので、定期的に読み返したいと思います。 
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。 

部下を定時に帰す仕事術 (ポケット・シリーズ)

部下を定時に帰す仕事術 (ポケット・シリーズ)

  • 作者:佐々木常夫
  • 出版社/メーカー: WAVE出版
  • 発売日: 2013/03/20
  • メディア: 新書