継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

【書評】ハーバード・ビジネス・レビュー 2020年 3月号  〜戦略を実行につなげる組織〜

表紙は、「戦略を実行につなげる組織」です。

主に「戦略の立て方と、戦略の実行方法」に関する記事が掲載されていました。

 

技術の進化により、ビジネスのスピードが非常にあがっており、技術を最大限活用したイノベーションが求められる世の中になっています。

そういった世の中で、「企業の戦略の立て方」、「イノベーションの実現方法」、「戦略を社員に浸透させる方法」の興味が高まっているということなのでしょう。

数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。   

 

 

印象に残ったテーマ① イノベーションを起こすためには失敗をマネジメントする必要がある

失敗と間違いの違いが説明できますか?

本書では、次のように定義されています。

  • 失敗・・・仮説を立てた上で、成功しなかったこと
  • 間違い・・・仮説を立てずに、成功しなかったこと

そして、次のように述べられています。

失敗を繰り返すことでイノベーションを生み出す確率は上がるが、間違いを繰り返してもイノベーションが生まれることはない


昨今、様々な企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)に重点的に取り組んでおり、技術の力を最大限活用したイノベーションの必要性が増しています。

一言、「イノベーション」といっても、どうすればイノベーションを生み出せるのか分かりませんよね。

 

本書では、イノベーションには「失敗」が不可欠であり、「失敗」を生み出しやすくするための人事評価基準が必要である」と述べられていました。

日本企業、特に、大企業では「失敗」が許されない雰囲気があるように思うため、会社全体で「失敗」を推奨する仕組みづくりができると素敵だと思います。

「中長期目標と短期目標を区別し、中長期目標は成功、短期目標は失敗が重要という前提とする」という考え方も印象に残りました。

目先の利益を実現するために、チャレンジしないと、中長期的な目標は達成できないのでしょうね。

日々、短期目標に対してチャンレンジできているか振り返りたいものです。

 

印象に残ったテーマ② 経営者の果たすべき役割と責任

資生堂・魚谷雅彦社長の以下の言葉が紹介されていました。

経営者の果たすべき役割と責任とは、組織が進むべき方向を示し、社員が活きいきと働ける環境を作るための決断をすること 


魚谷氏は、資生堂の社長就任後、わずか4年で売り上げ高を30%程アップさせ、売上高1兆円を達成したプロ経営者です。

会社のトップが、社長という役職の役割と責任を正しく理解し、社員が働きやすい環境を作ってくれるなんて、資生堂は最高に恵まれた職場だと思います。

社員が活きいきと働きやすい環境になることで、チャレンジしやすくなり、イノベーションの創造にもつながるはずです。

 

印象に残ったテーマ③ 資生堂はトップが企業理念を理解し実践している

「世の中の全ての人たちに美しく健康になってもらい、幸せな人生を送ってもらうこと」が、魚谷氏の考える、「資生堂の企業理念」であると紹介されていました。

 

そして、「投資家から、短期的な利益の追求を求められたが、それをやるために資生堂に来たのでは無いと断った」という話も紹介されていました。

 

どの会社にとっても、企業理念は大事なはずなのに、短期的な利益の追求により、企業理念をないがしろにしているケースが多いと思います。

企業理念は、全社員の共通認識です。

資生堂のように、会社のトップが企業理念に基づいた行動を実践していると、社員も自分の取るべき行動に迷わずに済むはずです。

会社のパフォーマンスを最大化するために、全企業のトップに魚谷氏のような行動が必要であると認識して欲しいものです。

 

まとめ 

「失敗をマネジメントすることが必要」という話を読み感銘を受けました。

また、資生堂・魚谷雅彦社長のような素晴らしい経営者がいることも本書を通じて知ることができました。

他にも非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。