継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

【書評】岸見一郎・古賀史健「幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII」 〜真の自立とは何かを紹介〜

本書は、ベストセラーとなった「嫌われる勇気」の続編です。
前作(「嫌われる勇気」)では、若干もやもやとした「共同体感覚」に関して、より実践的な内容が紹介されています。

また、本書は「自立」に対して、明快な答えを出してくれています。
きっと、本書を通じて、これからの人生を豊かなものにしていける考え方に出会えるでしょう。 

 

本の紹介

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

 

岸見一郎氏は、日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳されています。
古賀史健氏は、臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターです。
本書は、ベストセラーとなった「嫌われる勇気」の続編であり、アドラー心理学を普段の生活で使うために、より実践的な内容を紹介しています。

 

印象的なポイント① 仕事の本質は分業である。他者への貢献が必要である。

おもしろい。あらためておもしろ概念ですよ、このアドラー流の「分業」ってやつは。自然界における人間は、あまりに弱く、とてもひとりで生きていくことができない。だからこそわれわれは群れをつくり、「分業」という働き方を手に入れた。分業すれば、マンモスだって倒せるし、農耕することも、住宅を建てることもできる。 


「分業」という考え方に、ハッとさせられました。

人間社会を良いものにするためにすべきことを、全て一人の人が行うのは不可能です。
だからこそ、仕事を分割し、それぞれが自分の職業において、与えられた役割を果たしているのですね。

「仕事は目的を考える事が大事だ」とよく言われる由縁は、「現代の各職業は、分業の結果であり、元々やりたかった大きな仕事の一部である」ためなのでしょう。

そう考えると、私たちのどんな仕事も、社会貢献につながっているのですね。

資料作成一つにしても、「単なる作業」として捉えずに、「その資料が、何か社会の課題を解決することにつながっているのだ」という意識を持つ事が重要なのだと思いました。
「自分が担当している仕事」は、「社会が求める仕事の一部なのだ」という意識を持って仕事していきたいものです。

印象的なポイント② 自立とは自己中心性からの脱却である。

自立とは、「自己中心性からの脱却」なのです。

われわれは他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されます。他者を愛することによってのみ、自立を成しえます。そして他者を愛することによってのみ、共同体感覚にたどりつくのです。


仕事において、自分の範囲だけが上手くいくようにしか考えていない人は、自立した人とは言えないということですね。

あくまでも自分は社会の一部なのだから、社会全体が上手くいくように、広い視点で仕事に取り組む必要があるのでしょう。
広い視点で考えることで、他者への貢献感を感じることができ、幸せな人生を送れているという幸福感につながっていくのだと思います。

印象的なポイント③ 不満ばかり言っていても何も進まない。これからどうするかが重要。

われわれが語り合うべきは、まさにこの一点、「これからどうするか」なのです。「悪いあの人」などいらない。「かわいそうなわたし」も必要ない。あなたがどんなに大きな声でそれを訴えても、わたしは聞き流すだけでしょう。

仕事やプライベートで不満を感じた時に、ついつい、「あいつのせいだ」、「自分は被害者だ」と感じてしまう事はないでしょうか?
そんな時に、「これからどうするか」という言葉を思い出す必要があります。
自分の将来を好転させるためにできる唯一のことは、「これからどうするか」を真剣に考えることだけです。
被害者意識から抜け出せない時に、この文章を出したいものです。

まとめ

本書を通じて、人間は一人では生きていけないのだから、社会に貢献していこうという姿勢が大事であることに気づかされました。
きっと仕事に対する姿勢も変わっていくように感じます。 
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII

幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII