【書評】【洋書】星新一「A Well-Kept Life」(ショートショートコレクションVol.1 英語版)
ショートショートというジャンルをご存知ですか?
小説の中でも特に短い作品のことを指します。
本書には、全17編が収録されています。
1話あたり、20分程度で読み終わる短いものもあります。
英語だとなかなか集中力が続かないという方にも、一話一話が非常に短いため、洋書の入門として非常にオススメな本です。
本の紹介
A Well-Kept Life(星新一ショートショートコレクションVol.1 英語版) (English Edition)
- 作者:星 新一,Shinichi Hoshi
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/07/04
- メディア: Kindle版
著者「星新一」氏は、「ボッコちゃん」等のショートショートというジャンルの名手として有名な小説家です。
本書「A Well-Kept Life」には、表題作 「A Well-Kept Life」(原題「ゆきとどいた生活」)など、厳選した全17編が収録されています。
洋書としての読みやすさ
単語数は概算「30,000」語です。
難しい単語も出てきますが、一話一話が短く簡潔なので、ストーリー自体は理解しやすいです。
多少わからない単語が出てきても、気にせずどんどん読み進めることができると思います。
英語の多読トレーニングの入門書としてオススメします。
おすすめポイント
- 星新一のショートショートの特徴ですが、どの話もオチがあります。
最後まで読むと、「ああ、なるほど」、「そういう話だったのか」とハッと気づかされます。
読み進めていく内に、次の話はどういうオチだろうと、ワクワクしてくると思います。
どの話も面白いですが、特に、「An Incident in the Future」、「A Well-Kept Life」がオススメです。 - 普通の小説では全ての話が繋がっているため、序盤で話についていけなくなると、最後まで読むのが困難です。
一方、ショートショートの場合は、一話一話が独立した短い話ですので、仮に理解できない話があっても、他のストーリーの理解には影響しません。
多少理解できない話があっても、気にせずに最後まで読めると思います。
気になった表現
①murmur
“It’s about time for him to repay that debt,”he murmured to himself.
→「彼が借金を返済する時が来た」と彼が呟いた。
日本語でよく「呟く」と言いますが、英語で「murmur 」と表現するんですね。
本書の中で何度も「murmur」が出てくるため、単語の意味を知っておくと理解が捗ると思います。
②parakeet
On his right shoulder sat a parakeet with beautiful wings.
→彼の右肩に美しい羽を持つインコが座っていた。
「A Secretary on Your Shoulder」の話の中で、何度も「parakeet 」という表現が出てきます。
「parakeet 」の意味がわからないと、何が秘書の役割を果たしているのか気になりすぎて、話が頭に入ってきません。
インコは、「parakeet 」って言うんですね。
③tag,hide-and-seek, jump rope
We never play tag or hide-and-seek or jump rope.
→私たちは、鬼ごっこやかくれんぼ、縄跳びをしたことがない。
子供の頃によくやる遊びの表現が一気に学べました。
英会話でも使えそうな表現です。
まとめ
英語の多読をする際に、いきなり長文小説から入るとかなり高い確率で挫折します。
その点、ショートショートは多読の入門としてちょうどいいためオススメです。
是非読んでみてください。
A Well-Kept Life(星新一ショートショートコレクションVol.1 英語版) (English Edition)
- 作者:星 新一,Shinichi Hoshi
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/07/04
- メディア: Kindle版