【書評】有田芳生「「コメント力」を鍛える」 〜コメンテーターが意識しているコメントの極意を紹介〜
仕事や日常生活で急にコメントを求められて、「微妙なコメントしてしまった。。。」と思ったことはありませんか?
私は何度もあります。
コメントって難しいですよね。
本書では、「ザ・ワイド」のレギュラーコメンテーターを担当されていた有田芳生氏が、コメンテーターとして、仕事前にどんな準備を行い、どんなことを意識して発言されていたかを紹介しています。
- 本の紹介
- 印象的なポイント① 相手が気づきを得る手助けをすることが大事
- 印象的なポイント② ポイントを絞るとコメントし易くなる
- 印象的なポイント③ いいコメントをするためには事前の情報収集が欠かせない
- まとめ
本の紹介
著者「有田芳生」氏は、以前、日本テレビの「ザ・ワイド」でレギュラーコメンテーターを務められていた方です。その後、立憲民進党所属の参議院議員も務められています。
本書では、一流番組でレギュラーコメンテーターを担当されていた際の、コメントのノウハウが紹介されています。
印象的なポイント① 相手が気づきを得る手助けをすることが大事
P162
コメントで大切なことは、相手に対して”気づきのメッセージ”を与えることである。大上段から構えてストレートに相手に教えるのではなく、相手の心にハッと気づかせる言葉の投げかけである。
単に一方的に話すだけでは、独り言と変わりませんもんね。
自分が理解したことを踏まえて、他の人の理解を促したり、何か気づきを得られるような呼び水のような言葉を投げかけることが重要ということですね。
また、相談を受けた時に、適切なアドバイスができなくても、話を聞いてあげて、相手に質問を投げかけ、相手の悩みが解決する手助けができたのであれば、立派なコメントができたことになります。
独り言と変わらないような自分勝手なコメントをしないように気をつけたいものです。
印象的なポイント② ポイントを絞るとコメントし易くなる
P171
デカルトは自分の考えをしっかりと作るためには、四つの規則を守ることで十分だと述べている。コメント力の条件である。まずは第一段階。「速断」と「偏見」に陥ることなく、あくまでも自分が十分に確信できることだけを受け入れることだ。疑問の余地がまったくないほどはっきりとしたこと以外は判断のなかにふくめるな、というのである。
そして、第二段階。検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割することだ。たとえば問題が起きて、何かをコメントしなければならないときに、この問題にどう答えればいいのかを考える。そんなときには、問題を確信が持てる部分に限定することでコメントしやすくなる。
次に、第三段階。もっとも単純でもっとも認識しやすいものからはじめて、少しずつ、階段を昇るようにさらに複雑なものの認識にまで昇っていく。(中略)そのときに整合性を求めて組み立てていく作業を同時に行うことである。
最後に、第四段階。全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったことを確信することだ。こうした施行作業を通じてすべてが見渡せる自分だけの完璧な見取り図を描くことができる。
非常に難解な本を読んだり、話を聞いた後に、コメントを求められた場合に、これらの手順は非常に役に立つと思いました。
例えば、一見、身近に感じられないような国際問題のニュースについてコメントする場合について考えたいと思います。
ニュースで流れる情報は一見、全て真実のように見えますが、実際には編集者の意図によって、真実とは異なる場合もあります。
こういった時に情報を鵜呑みにするのではなく、まずは、客観的にみて真実だと思える情報に集中します。
その上で、その情報全体に対してコメントするのではなく、自分に取っても身近な話題の部分のみを切り出して考えることで、コメントし易くなります。
まずは、身近で、手の付けやすい部分に集中することが重要ということですね。
印象的なポイント③ いいコメントをするためには事前の情報収集が欠かせない
P80
購読している新聞七紙からテーマに応じた記事を重点的に読む。専門書はもちろんのこと、月刊誌や週刊誌、さらには情報誌やミニコミ誌への目配りも大切だ。ここまでが基礎作業。
ものすごい情報収集量ですね。
これを毎日行っているというので、コメンテーターの大変さが伝わってきます。
コメントをするためには、いかに事前に背景や、問題に関連する内容を抑えておけることが重要ということですね。
私自身も、より良いコメントができるように、毎日少しずつでも情報をインプットしたいと思いました。
まとめ
気の利いたコメントができるようになったら、仕事も人間関係も良好になりそうですよね。
本書で学んだことを日々の生活で生かしたものです。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。