日経コンピュータ 2021年2月18日号 〜特集 新しい働き方への道〜
表紙は、「特集 新しい働き方への道 対話創出とデジタル化に活路」です。
今回は、様々なツールを活用した業務改善の事例が多く紹介されていました。
その他、負の資産としてよく取り上げられるCOBOL資産に対する取り組み等も紹介されていました。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
- 印象に残ったテーマ① 変換率100%に近づけなければプロジェクトが破綻する
- 印象に残ったテーマ② COBOLを維持しながらDXにも取り組む
- 印象に残ったテーマ③ システム構築と業務の標準化で「書かない窓口」を実現
- まとめ
印象に残ったテーマ① 変換率100%に近づけなければプロジェクトが破綻する
COBOL資産を生かすべきか、マイグレーションすべきか-
「2025年の崖」対策でユーザー企業が岐路に立たされているという記事が掲載されていました。
すでに小規模なCOBOLプロジェクトに関するマイグレーションは粗方完了しており、残すは、100万ステップを超える巨大プロジェクトのマイグレーションのみとなっているようです。
こういった大規模マイグレーションプロジェクトにおいては、手作業で資産をCOBOLからJavaに変換するのは、スケジュールや品質、コスト面から、手段として取り得ません。
そのため、大抵はマイグレーション用の自動変換ツールを使用することとなりますが、このツールの選定基準として、「プログラム言語の変換率が100%に近づけなければプロジェクトが破綻する」という文章が印象的でした。
プロジェクト開始前に自動変換ツールのトライアルを実施し、変換率100%を満たしているかを見極めることがプロジェクト成功の鍵を握っています。
このようなプロジェクトを担当する際は、自動変換ツールの精度見極めが重要であることを意識して取り組む必要がありますね。
印象に残ったテーマ② COBOLを維持しながらDXにも取り組む
800万ステップにも及ぶ巨大アプリケーションを保有するかんぽ生命の取り組みが紹介されていました。
800万ステップにも及ぶ巨大アプリケーションのマイグレーションともなると、相当な費用と時間がかかってしまいます。
一方、マイグレーションプロジェクトはユーザーからの見た目は何も変わらず、新たな価値を提供できません。
このことから、投資対効果で考えた場合に、マイグレーションプロジェクトは手を付けずらい案件と判断されてしまいます。
このような状況を踏まえて、かんぽ生命は、COBOLで成り立つSoR領域(記録のためのシステム)とDXを牽引するSoE領域(顧客との接点になるシステム)を分けて考えて、接点にAPIを構築するといった手法をとっています。
SoR領域の開発はSoE領域のシステムに比べスピードが求められないでしょうから、COBOLのまま残すという方針にしているのでしょう。
必ずしもCOBOL資産をマイグレーションしなくても良いんだと、新しい視点を与えてくれる記事ですので、是非目を通してみてください。
印象に残ったテーマ③ システム構築と業務の標準化で「書かない窓口」を実現
北海道北見市が独自開発の「窓口支援システム」を導入したという記事が掲載されていました。
このシステムにより、住民が申請書を記入せず、手続きできるワンストップ窓口を実現できたようです。
また、利用者の利便性向上だけでなく、職員の業務効率改善にもつながったようです。
現在、政府が2025年までに各自治体に対して国が定めた標準システムへの移行を求めています。
北見市は今回の開発を通じて、システム開発の流れを学ぶことができたでしょうから、国の標準システムへの移行もスムーズにできるのではないでしょうか。
是非とも、他の自治体にも見習って欲しいものです。
まとめ
標準化やシステムの軽量化により、開発スピードを上げていく世の中の動きが感じられる記事が多く紹介されていました。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。