Bloomberg Businessweek 2020年12月14日号 〜How to Live With the Virus〜
表紙は、「How to Live With the Virus」です。
コロナが社会に対して与えた問題に関して、複数の切り口から紹介されていました。
印象に残った記事① コロナが家庭の育児環境に与えた影響
コロナによりテレワークが推進されただけでなく、子供等もオンライン授業が推進されましたね。
これにより、日中まで子供が家にいることになり、特に女性の育児負担が増えている問題に関する、海外の事情が紹介されていました。
この問題は日本だけでなく、海外でも問題になっていることを改めて認識させられました。
育児に対するサポートをどれだけ行えるかが、各国の政策で重要になっています。
印象に残った記事② コロナによるサンフランシスコ家賃相場の変化
サンフランシスコというと一流企業が集い、家賃が非常に高いという印象がありました。
しかし、昨今のコロナの影響により、テレワークが増えたことで、家賃相場がかなり下がっているようです。
どの国でも同じような事象は起きるでしょうから、日本でも東京の家賃相場が下がる時が来るかもしれませんね。
印象に残った記事③ コロナワクチン市場の問題点
ファイザーのコロナワクチンが発表されたことは人類にとって明るいニュースですね。
ただし、他社がワクチン開発を進める上ではネガティブな要素があるようです。
それは、有効なワクチンが開発されたことで、リスクのあるワクチン治験に対する参加者が集まりにくくなるという問題です。
良いニュースの裏面には、デメリットもあるということを考えさせられました。
まとめ
コロナに関する記事が多く紹介されていました。
改めて、コロナは世界規模の問題であると認識させられました。
【書評】ハーバード・ビジネス・レビュー 2021年 1月号 〜ESG経営の実践〜
表紙は、「ESG経営の実践」です。
昨今、ESG経営という言葉を耳にすることも多くなってきたのではないでしょうか?
ESGは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の3要素を指します。
言葉だけではピンと来ない、ESG経営の重要性と取り組み方が本号で紹介されています。
目先の仕事に囚われず、一つ上の視点で仕事を考えるきっかけになりますので、是非読んでみてください。
印象に残ったテーマ① ESGが重視される理由
ESGという言葉をよく耳にしますが、なぜESGが企業経営において重視されるようになったのでしょうか?
それは、ESG活動で成果を出せる企業は、優れた財務成果をもたらす可能性が高いという投資家の期待があるためです。
要するに、自社だけの利益を追求するのではなく、社会全体の利益を追求できる余裕のある会社は、将来的にも成長し続けられる可能性が高いという仮説によるものです。
これはある程度納得できる仮説ではないでしょうか。
例えば、日常の仕事でも、自分自身の本業だけで成果を出している社員よりも、もう1段階上の視点で、会社、社会の視点で成果を出せている社員の方が優れていますよね。
このように、会社の将来の成長可能性を示すためにも、ESG経営を追求することには大きな意味があるのです。
印象に残ったテーマ② ESGの優先順位
ESG経営に取り組む際に、どの要素から手をつけるかは悩ましい課題ですよね。
この課題に対する、大手製薬会社エーザイCFOや早稲田大学大学院の客員教授を務められている柳良平氏の、「GなくしてEとSは成り立たない」という信念が印象的でした。
EやSを追求するためには、まずは、Gを追求し、会社経営の基盤となるバランスシートを安定させることが重要と説いています。
このように、バランスシートが安定していないとESG経営が難しい点からも、ESG経営がうまく行えている企業は投資先として有力そうですね。
印象に残ったテーマ③ ESGに対するメガトレンド
ESG経営の他に、昨今よく耳にする言葉として「SDGs」があるのではないでしょうか?
この二つの言葉にどういう関係あるのでしょうか?
「SDGsが目的、ESGは手段」という関係があるようです。
国連が定め、全世界で共有されているSDGsを達成を目指すことが人類の目標になりました。
その目標を達成するために企業がすべきことがESG経営なのですね。
なぜ今ESG経営が注目されているか腹落ちしました。
そして、ESG経営は、SDGsの達成期限である2030年までは注目され続けることでしょう。
まとめ
言葉はなんとなく聞いたことがある程度であったESG経営が、非常に重要であり、ひとごとではないことに気づくことができました。
非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
日経コンピュータ 2020年12月24日号 〜特集 DXを阻む壁〜
表紙は、「特集 DXを阻む壁 1200人調査で見えた3つの課題」です。
コロナ禍により経営難に陥っている企業も多くありますが、ポストコロナの世の中において、成長するためには、今のうちから将来を見据えた種まきを進める必要がありますよね。
今回は、DX推進を阻む複数の障壁が紹介されていました。
また、どの課題に対して積極的に取り組むべきかも紹介されていました。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
印象に残ったテーマ① DXを阻む壁と必勝法
DXを推進する際の障壁に関するアンケート結果として、「DX人材の不足」、「DX人材の育成が進んでいない」、「ネットワークやWEBで完結しないアナログな仕事が残っている」の3大障壁が紹介されていました。
確かにDX人材が不足していては、DX推進がスムーズに進まない気がしますね。
ということは、人材育成を最優先に考えるべきなのでしょうか?
本書の分析結果ではどうやら違うようです。
DXが成功している企業に、必ずしもDX人材が豊富にいるかというと、必ずしもそうとは限らないからですね。
では、何を優先すべきでしょうか?
一番優先すべきことは、DXに対する会社の方針の明確化と、その全社的な浸透に取り組むことのようです。
DXで真にビジネスを変えたいのであれば、経営層の強い意思が欠かせないということですね。
印象に残ったテーマ② クラウド利用に対するユーザ企業の意識改革が必要
「日本企業はクラウドサービスに対する意欲があるのに、なぜ進まないのか?」
この問いに対する、ガートナージャパン亦賀忠明氏の、「ユーザ企業の勉強不足と、それにつけ込むかのような日本IT企業の質の低い提案によるもの」という回答が印象的でした。
ユーザ企業のITスキル向上に対する要求が、さらに強まってきていますね。
勉強し続けないと生き残れない世の中が来ています。
印象に残ったテーマ③ 非対面の接客に対する需要の高まり
昨今のコロナ禍を踏まえた航空業界のAIによる非対面接客や、りそな銀行の接客アプリが紹介されていました。
非対面の接客は今回のコロナ禍で一気にニーズが高まった印象がありますよね。
本当に人がやらないといけないのかを考え直し、デジタルによる接客に置き換えられないかを考える時代が来ています。
まとめ
DXという言葉は、2020年ですっかり世の中に定着しましたね。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
日経コンピュータ 2020年12月10日号 〜特集 学校DX 1人1台の先にある学びへ〜
表紙は、「特集 学校DX 1人1台の先にある学びへ」です。
今回のコロナ禍で、一気にリモート授業への需要の高まりましたよね。
学校ごとの整備状況が違う点等、学校DXの推進には課題が多くあります。
今回は、この課題を解決するためのGIGAスクール構想等が紹介されていました。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
印象に残ったテーマ① GIGAスクール構想予算の内訳
GIGAスクール構想の予算4,610億円の内訳が紹介されていました。
その中でも特に目を引くのが、端末整備支援費2,973億円です。
これは、1人1台の端末を準備するための補助金であり、1台端末を購入するために4万5000円を上限として国から補助を受けられるものです。
PCは1台あたり10万程度は必要な印象でしたが、ChromeOSのような比較的安い端末が登場しているおかげで、1台あたり4万5000円程度で買えるようになってきているのですね。
このような価格競争が活発に行われるためにも、複数のPCメーカーが競争する市場が存在することの重要性を感じました。
印象に残ったテーマ② ユーザ企業は東証システム障害を対岸の火事と見るべきではない
東証の社長が引責辞任をしたことでも有名な東証システム障害の、調査報告書に関する記事が紹介されていました。
その報告の中には、ベンダーだけの責任ではなく、東証にも一定程度の責任があったということが記されていたようです。
その理由として、東証がシステム開発、テストをベンダー任せにしており、ユーザ企業として適切なテスト内容を検討できていなかったことが挙げられていました。
この判断に衝撃を受けたユーザ企業は多いのではないでしょうか。
ユーザ企業側にも受け入れテストの内容に責任があるということを、しっかりと理解できていないユーザ企業は多数存在することでしょう。
システム開発をベンダーに丸投げする時代は終わったことを肝に命じる必要がありますね。
印象に残ったテーマ③ システム人材不足
日本の光学機器メーカー「トプコン」のDX推進事例が紹介されていました。
現在は精密計測技術を活かした計測機器の販売がメインですが、今後はその技術で集めたデータ活用支援サービスも含めた提案型のソリューションを提供していく考えのようです。
そのために課題になるが、DX推進のための人材確保のようです。
このトプコンの事例によらず、他社のDX推進や、学校のGIGAスクール構想の推進等、デジタル人材の需要は高まる一方です。
そういった時世の中で、選ばれる人材になるために、デジタル技術に対する知識、スキルを身に付けていく必要性を感じました。
まとめ
全体を通じて、システム、デジタル知識が無いと仕事が成り立たないことを感じさせられました。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
日経コンピュータ 2020年10月26日号 〜特集 Go To コンテナ〜
表紙は、「特集 Go To コンテナ 銀行・メーカーも本番環境へ導入」です。
開発生産性を向上させ、コスト削減のメリットもあるコンテナ技術の活用事例が紹介されていました。
DX推進に向けて、システムを軽量化し、開発スピードを上げるために、コンテナ技術は必須機能になっていくのでしょう。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
印象に残ったテーマ① 2025年度末までに行政システムを統一
首相の「行政システムを2025年度末までに統一」という指示が紹介されていました。
自治体毎に多少の差こそあれ、基本的に行政が持つべき必須機能には大差がないでしょうから、素人目に見ると簡単に統一できるのでは?と思ってしまいます。
しかし、実際には、自治体毎にシステム化の進み具合に差があり、また、職員のITスキルも千差万別です。
これらの事情により、2025年までのシステム統一は、各自治体に大きなインパクトを与えたようです。
一方、システム開発会社にとっては、国の方針を追い風として売り上げを伸ばすチャンスです。
行政の仕事をしっかりと理解し、良い提案ができれば、チャンスを活かせるでしょう。
印象に残ったテーマ② コンテナ技術の本番環境への導入
銀行やメーカー等、様々な業界において、コンテナ技術の導入が進んでいるという記事が紹介されていました。
コンテナ技術のメリットには、以下のような物があります。
- 開発環境、テスト環境、本番環境での環境差異を考える必要がないため、開発生産性が向上する。
- コンテナの起動時間の速さにより、拡張性と可用性が向上する。
- サーバリソースを無駄なく使えることにより、コストが下がる。
特に目を引いたのが、銀行のようなセキュリティに厳しい業界でもコンテナ技術が活用されている点です。
三菱UFJ銀行ではスマホアプリの開発にコンテナを導入したようです。
通常の銀行開発であれば、セキュリティー確保の観点から、委託先企業に銀行に常駐してもらうという手がよく取られます。
これが開発生産性の低下に繋がるのですが、この課題を、コンテナ導入により回避したようです。
具体的には、委託先企業に、セキュリティが確保されたAWS上の環境上でコンテナイメージを開発してもらいます。
そして、そのコンテナイメージをセキュアな環境経由で納品してもらうことで、常駐してもらう必要なく、セキュリティを確保した開発が可能になります。
今後の開発において、主流となる開発手法となることでしょう。
印象に残ったテーマ③ ITサービスの軽量化、内製化
DX推進において鍵となるのは、システム開発を低コストで高速に行えることなのでしょう。
そう思わされる記事として、以下が紹介されていました。
日経コンピュータは各企業のシステム開発に対する動きがわかって良いですね。
まとめ
コンテナ技術の活用には、かなりのスキルが必要そうですが、是非とも身に付けたいものです。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
【書評】ハーバード・ビジネス・レビュー 2020年 12月号 〜サプライチェーンの競争力〜
表紙は、「デジタル変革で強化する サプライチェーンの競争力」です。
コロナ禍以前は、各国が安い資源や大きな市場を求めて、グローバルなサプライチェーンの構築を推進してきました。
しかし、今回のコロナ禍で他国とのやりとりが難しくなったことで、グローバル化戦略の危うさが浮き彫りとなりましたよね。
本号では、そうしたサプライチェーンの課題と対策が紹介されています。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
- 印象に残ったテーマ① サプライチェーンの効率性と適応力を高める方法
- 印象に残ったテーマ② ブロックチェーンによるサプライチェーンマネジメント
- 印象に残ったテーマ③ サプライチェーン刷新は組織文化の改革から始めるべき
- まとめ
印象に残ったテーマ① サプライチェーンの効率性と適応力を高める方法
サプライチェーンの効率性と適応力を高める方法は以下の3点です。
多くの企業は2点目のリスク回避力を強化するところまでは考えているのではないでしょうか。
しかし、もう一歩踏み込んで、レジリエンスを高める必要があるのですね。
例えば、工場に本来必要な生産能力よりも高い生産能力を持たせること等が該当します。
多くのビジネスでレジリエンスが重要視されてきていますが、サプライチェーンマネジメントでもレジリエンスについて考えるべきであることを知ることができました。
印象に残ったテーマ② ブロックチェーンによるサプライチェーンマネジメント
ビットコイン等の仮想通貨取引で一躍有名になったブロックチェーンの技術を、サプライチェーンマネジメントに応用する事例が紹介されていました。
例えば、食品が適切な温度で管理されて、消費者に届けられているかを管理するために使用しているようです。
具体的には、サプライチェーンの各時点において、異常な温度管理がされていた場合に、ブロックチェーン上に、この事実を記録します。
そうすることで、消費者、出荷者は適切な温度管理がされていたかを把握することができます。
他にも、製薬業界等、様々な業態におけるサプライチェーンにおいて、ブロックチェーンの活用が進んでいるようです。
印象に残ったテーマ③ サプライチェーン刷新は組織文化の改革から始めるべき
サプライチェーンマネジメントには、前述の通り、無駄の見える化から始める必要があります。
しかし、仮に無駄が見えるようになったとしても、組織として無駄を排除しようとする意識が必要ですよね。
いかにして、無駄を排除しようとする組織文化を作るかの事例として、パナソニックの樋口泰行氏による、組織に存在する無駄をなくすための取り組みが紹介されていました。
例えば、週報のように内向きの仕事をなくしたり、社内の承認を得るための多段階の手続きの無駄を無くすといったことに取り組まれているようです。
樋口氏曰く、組織から無駄をなくすためには、トップが無駄だと叫び、組織文化と意識を変える必要があるようです。
大変な取り組みだと思いますが、今後のパナソニックの躍進に期待です。
まとめ
サプライチェーンマネジメントも、コロナ禍で大きく変わった物の一つですね。
コロナ禍から、いかに上手く回復するかが、各企業に求められています。
非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。
日経コンピュータ 2020年11月12日号 〜特集 コロナ危機を救うRPA快進撃〜
表紙は、「特集 コロナ危機を救うRPA快進撃」です。
今回のコロナ禍で急遽必要になった給付金支給手続き等のように、大量に確実にこなす必要がある事務手続きにRPAを活用するという記事が紹介されていました。
また、全銀システムの課題と今後の展望等も紹介されていました。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
印象に残ったテーマ① 顧客満足度と自社のあるべき姿の追求がDXの鍵
「DXやるぞ!」と息込んでいない企業「トラスコ中山」が「DX銘柄2020」のグランプリに輝いたという記事が紹介されていました。
デジタルありきではなく、「顧客が欲しいと思ったものをすぐに用意して届ける」という、問屋の機能を追求した結果のグランプリ受賞だったようです。
デジタルありきで考えている企業には、自身の戦略を見直す必要性を感じさせられる記事だったのでは無いでしょうか。
デジタルはあくまでも手段です。
本来目指すべき姿、自社のパーパスに立ち返る必要性を感じされられる記事でした。
印象に残ったテーマ② 全銀システムの大きな岐路到来
40年超手数料が不変の全銀システムの課題と、競合インフラの構想が紹介されていました。
近年、PayPay等のノンバンク企業の台頭が目覚ましいですが、現状、ノンバンクは全銀システムに接続できないようです。
そのため、加盟店への入金を銀行振り込みに頼る必要があり、銀行振込手数料が不要にかかってしまうという問題があります。
こうした問題を解消するために、ノンバンクも接続できる新規決済システムとして、三菱UFJ銀行等の大手5行が新決済インフラを検討し始めたようです。
これにより、ノンバンク系の利用手数料が更に下がり、加盟店が増えることで、より多くの店で便利な決済サービスが利用できるようになることが期待されます。
時代のニーズに合わせて、インフラも柔軟に変化していくことが求められていることに気づかされました。
印象に残ったテーマ③ 5G特許数で出遅れた日本の訴訟リスク
5Gの素晴らしさを遡及するような携帯会社のCMをよく見ますが、その裏で、日本は5G特許数で大きく出遅れてしまっているという問題があるということはあまり知られていないのでしょうか。
この問題により、5Gが登場したばかりですが、すでに6G開発に向けた動きが進行しているようです。
一般消費者からは特許を意識することはないと思いますが、安く、確実にサービスを提供し続ける事業者の立場からすると、どれだけ重要な特許を押さえているかが重要なのですね。
6Gでは、日本に是非とも世界をリードする立場を獲得して欲しいものです。
まとめ
DXが広く社会に認知されつつありますが、本当に大事なのは、自社が目指すべき姿を追求することであることに気づかされました。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。