【書評】本多静六「私の生活流儀」 〜ストレスなく、健康に仕事・勉強に励むためのコツを紹介〜
忙しい毎日の中で、仕事に対するモチベーションが下がっていた時に、本書を読みました。
本書は、「ストレスなく、健康に仕事・勉強に励むコツが満載」ですので、「モチベーションを回復したい」と感じているビジネスパーソンにおすすめです。
本の紹介
- 天才中学生が投資を行う漫画「インベスターZ」(著者:三田 紀房)でも紹介された、投資家「本多静六」の本です。
- 本多静六博士は、「日本の公園の父」と称され、日比谷公園ほか、生涯を通じて数多くの公園設計に携わりました。苦学して東大教授になり、「月給4分の1天引き貯金」を元手に投資で巨万の富を築きました。
- お金持ちになるための方法に関する本「私の財産告白」が有名ですが、この本では、「お金」以外にも、「健康法」「暮らし方」「考え方」等のいくつかの切り口を基に、本田静六博士の「生き方」、「名言」が紹介されています。
印象に残ったポイント
私が特に印象に残ったポイントを3つ紹介します。
ポイント① 目からウロコの勉強方法 〜エキス勉強法と行読法〜
■引用
非常に勉強熱心な著者ですが、以下のような勉強方法を考案していたようです。
P134−138
19歳で東京大学の生徒になり、いままでの百姓をやめて机にかじりついてばかりいたせいか、たちまち、胃病と眼病になって困り抜いた。そこで思いついたのが、エキス勉強に加うるこの行読法の実行であった。
それはまず、その日に学んだ講義筆記や参考書を一心不乱に熟読し、ぜひ覚えなければならぬ重要なところに、鉛筆でしるしをつけておき、一章読み終わるごとに、その要点、とくに定義や方程式、数字などを別の紙に記入してゆく。するとだいたい百枚ばかりの筆記が、結局は2、3項に圧縮することができる。
つまり学科目のエキス抽出である。
これをフトコロにいれて、毎夕または早朝に1−2時間ずつ外出する。なるべく通行者の少ない田園や参道を歩く。そうして歩きながらそれを頭に入れていくのである。
歩行しつつ読む法 すなわち「行読法」である。
頭にいれる順序や、難しいところはいちいちエキス・ノートを除く、そうでないところは、暗記のまま頭の中で繰り返す。あやしくなったらすぐノートをみる。これは机の上ではどうもうまくいかぬが、歩きながらだと不思議にうまくいく。
■自分にどう活かすか
社会人になり、あまり時間がない中で、勉強しようとすると、運動不足により、ストレスが溜まったり、太ったりしますよね。
また、家で勉強していると、他のことに気を取られて、なかなか暗記に集中できないということもあると思います。
そういった時に、この勉強を知り、資格試験の勉強で使ってみました。
結果的に、PMPやプロジェクトマネージャ試験に合格することができました。
非常に効率的に、集中して勉強できて、良い勉強方法だと思います。
ポイント② 常に先手を打つ
■引用
先手を打って対応することを非常に重要視していたようです。
P67
先へ先へと仕事の楽しみを追う。
P79−81
自分の仕事は自分で、しかも、できるだけ先へ先へと早めに片付けていく。これが日常生活における私の一番の心構えである。
今日の仕事を今日片付けるのは当然のことであるが、もしできることなら、明日の仕事を今日に、明後日の仕事は明日にと、順次手回しよく片付けるようにしておきたい。
〜中略〜急いて事をし損ずるというが、急いてしなくてもすむ仕事を、ゆっくり、先へ先へと手際よく片付けておけば、やがて急く必要もなければ、急いて事を仕損ずることもない。
先へ先へと片付けた仕事にはいかなる場合もほとんど手落ちというものがない。
仕事の大きな手落ちは、あわてて片付けようとする際にのみ起きるようだ。
■自分にどう活かすか
「先へ先へと仕事の楽しみを追う。」
この文でハッとしました。
普段の仕事でストレスがたまるのは、単純に仕事が多いからではなく、「仕事に追われるスタンス」になってしまっているからではないかと。
この本を読んでからは、「どんな時も仕事に対して、先手を打つ」という意識を持つようになったことで、仕事へのストレスが少し軽減したように感じています。
ポイント③ 夜は4時間睡眠、昼間は細々1時間昼寝
■引用
P154−157
日中における眠りであるが、職務上に差し支えない限り、あるいはそのことが可能である限り、疲れを感じ、眠りに誘われたら、その場で10分でも15分でも眠るのが良い。
〜中略〜何かのひと休みに、まず一服とタバコの輪をふかすのと、その短い時間に要領よく一眠りするのとどれだけの違いがあるであろう。同じ休養ならば、最も効果的な睡眠のほうがはるかに良いように思える。
■自分にどう活かすか
著者は、夜4時間、昼寝1時間の生活リズムだったようです。
どうしても仕事中に昼寝なんてしてはダメだと考えがちですが、眠い中ダラダラやるよりも、昼寝してすっきりしてから集中した方が良いということに気付けました。
また、夜どれだけ寝ても、昼間は多少眠くなるので、逆に、夜はそこそこの睡眠時間に止めておき、昼寝でリフレッシュする生活リズムに切り替えた方が良いと考えるようになりました。
さすがに、4時間睡眠は短い気がしますが。
まとめ
明日から「仕事、勉強が頑張れそうな気持ちになる」、そんな本です。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。