【書評】清水久三子「1時間の仕事を15分で終わらせる最速で稼ぐ外資系コンサルの時短術」 〜抜本的な生産性向上方法を紹介〜
「1時間の仕事を15分で終わらせる」には、どうすれば良いと思いますか?
「4倍速く動けば良いんでしょ」と思ってしまいますよね。
実際は、違います。
「4倍速く動けば良い」ということではありません。
本書では、より本質的なアプローチで、「1時間の仕事を15分で終わらせる」方法を紹介しています。
- 本の紹介
- 印象的なポイント① 仕事が溢れているときは、優先順位ではなく、劣後順位から決める
- 印象的なポイント② 仕事依頼者の期待値をコントロールする
- 印象的なポイント③ 先に言えば説明。後に言えば言い訳。
- まとめ
本の紹介
著者「清水久三子」氏は、日本IBMグローバル・ビジネス・サービス事業部、ラーニング&ナレッジ部門リーダを務められた方です。
1500人以上のコンサルタントの指導育成経験を持ち、「プロを育てるプロ」として知られています。
筆者は独立後、会社員時代の4分の1の稼働時間でありながら、収入が2倍、3倍と増えていったようです。
なぜ、稼働時間は減ったのに、収入を増やすことができたのか?
その疑問に対する答えが本書に紹介されています。
印象的なポイント① 仕事が溢れているときは、優先順位ではなく、劣後順位から決める
P54−55
よく「優先順位を決めよう」と言われますが、さらに思い切ってやらないこと=劣後順位を決めてください。この二つは次のように違います。
優先順位:重要と手順を考えて、行うべき順序を決定する
劣後順位:目的と効果から考えて、やらないことを決める
仕事で溢れ返っているときには、劣後順位から決めたほうが圧倒的にスピードアップにつながります。
仕事が溢れていている理由は、「本当に全て必要な作業によるものか」ということを考える必要があるということですね。
どんなに能力をあげて、タスクの処理速度をあげても、作業が多すぎると、いつかキャパを超えます。
そうならない為に、依頼されたタスクが「本当に必要か?」を考え、劣後順位を決めます。
そうして、残った「本当にやる必要がある仕事」について、優先順位を決めます。
その上で、どうしても自分のキャパをオーバーするものについては、上司に相談するしか無いでしょう。
劣後順位、優先順位を整理してから上司に相談することで、「上司の考えている優先順位、劣後順位と違う」、「明らかにキャパオーバーなので、別の人にタスクをお願いする」等の適切なアドバイスが得られるはずです。
印象的なポイント② 仕事依頼者の期待値をコントロールする
P189
仕事の満足度は何によって決まると思いますか?完全にやることが決まっている場合を除けば、相手の期待値と一致しているかどうかによって決まります。あえて言ってしまうと、いくら質が高いアウトプットだとしても相手の期待値とのギャップがあれば、満足度は低いままです。仕事の速い人は、実際の思考や作業の速さもさることながら、この期待値のコントロールが絶妙です。
「数万円の高級料理店に求める料理の質」と「数百円のファストフード店に求める料理の質」は違いますよね。
また、同じ一流シェフに料理をお願いする場合であっても、「数分で作ってもらう料理」と「数十時間掛けて作ってもらう料理」では、期待するレベルが違いますよね。
同じことが普段の仕事においても言えます。
与えられた時間や、現在自分が担当しているタスクの負荷等を踏まえて、どの程度の期限、品質、コスト感で対応できるかを先に考えます。
その上で、先手を打って、タスク依頼者にどの程度の期限、品質、コスト感で対応できるか伝え、合意します。
こうするだけで同じ成果物を同じ時期に提出したとしても、タスク依頼者からの評価は大きく変わってくるはずです。
印象的なポイント③ 先に言えば説明。後に言えば言い訳。
P171
先に言えば説明。後に言えば言い訳。関係者から不満が上がってからだと、何を言っても言い訳に聞こえる。
仕事の必勝法は、先手を取り続けることしかありません。
自分が出せる成果物のレベルを先手を打って予測し、タスク依頼者と事前に合意することが重要です。
タスク依頼者に先手を打たれるような形になった時点で、負けが近づいています。
まとめ
明日の仕事からすぐに活かせそうなテクニックが盛りだくさんです。
少しずつでも自分の仕事に取り入れて、生産性向上を図りたいものです。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。