継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

プロジェクトマネージャ試験(PM試験)勉強方法〜試験合格だけにとどまらない、実務にも役立てるための勉強方法〜

「プロジェクトマネージャの経験が浅すぎて、「プロジェクトマネージャ試験」の午後Ⅱ(論文問題)が書ける気がしない。。。」

情報処理技術者試験なんて勉強しても、実務には全く役に立たないのでは。。。」

等と思われている方に、おすすめの勉強方法があります。

 

はじめまして、私は関東のSIerで働いており、これまでに幾つかのプロジェクトのプロジェクトマネージャ(PM)を担当してきました。

 

プロジェクトマネージャ試験の論文問題は取っ付きにくいですが、適切な勉強をすれば、PMの経験が浅くても、しっかりとした論文が書けるようになります。

また、午後I、午後Ⅱの問題文には、実務でも役立つ情報がたくさん盛り込まれているため、午後I、午後Ⅱの問題文をしっかりと理解することで、実務にも役立てることができるようになります。

以降、私がプロジェクトマネージャ試験(PM試験)に合格した際の勉強方法を紹介します。以下のような疑問が解決すると思います。

 

  • 午後Ⅱの論文問題で書くことが思いつかないが、どうすればスラスラと書けるようになるか?

  • 単にプロジェクトマネージャ試験に合格するというだけでなく、試験の勉強で学んだことが実務においても役立つようになるための勉強方法はあるか?

 

 

プロジェクトマネージャ試験結果

この勉強方法により、無事試験に合格することができました。

  • 午前Ⅰ:免除

  • 午前Ⅱ:88点(60点以上が合格)

  • 午後Ⅰ:72点(60点以上が合格)

  • 午後Ⅱ:A(Aであれば、合格) 

おすすめの勉強スケジュール

  • プロジェクトマネージャ試験(PM試験)で学習する内容は、PMP試験にも活かせる部分があるため、プロジェクトマネージャ試験とPMP試験は、同じ時期に取得した方が効率が良いと思います。
    私はPMPを先にうけて、その後にプロジェクトマネージャ試験を受験しました。逆の順番でもいいと思います。
  • 「午前Ⅱは過去問を数年分解くだけで良く」、
    「午後Ⅰについては、午後Ⅱの勉強で学んだことが活かせる」ため、
    最も対策に時間がかかる午後Ⅱの勉強を優先しました。
  • 毎日2時間、2ヶ月程度勉強しました。
    午後Ⅱ 1ヶ月半、午後Ⅰ 2週間、午前Ⅱ 1週間というスケジュールでした。
    午後Ⅰについては少し合格ギリギリであったため、午後Ⅰについて1ヶ月程度は勉強するべきだったかなと思いました。

 

おすすめの勉強時間帯、場所

PMPの試験と同様の時間帯、場所で勉強しました。

PMPの試験勉強は、以下の記事にまとめています。

keizokuryoku.hatenablog.com

 

「どうしてもその日の仕事量によって帰りが遅い、あるいは、飲み会が突然入ってしまって帰りが遅くなる等により、夜は勉強時間があまり取れない。」、「仕事から家に帰ると集中して勉強できない。」ということがあるかと思います。

私はこういった問題になるべく影響を受けずに、毎日2時間勉強するために、次の時間帯、場所で勉強しました。

週末もほぼ同じルーティンで勉強しました。

 

(1)出社前に朝1時間家で勉強

  • 最初はきついですが、そのうち慣れます。

  • お子さんがいる家庭でも、朝早くは誰にも邪魔されないので、安定的に勉強が継続できます。

  • 朝早く起きて勉強すると、朝食までに目が完全に覚めるので、美味しく朝食が食べられます。

(2)夜は直接家に帰らずに、マック等で30分だけ勉強

  • とにかく30分だけでも勉強することが重要です。
  • マックは安くて重宝しました。
    夜にコーヒーを飲むと眠れなくリスクがあるので、野菜ジュースやお茶などを頼んでいました。

  • 同じ場所で勉強することに飽きてきたら、たまに場所を変えるのも有効です。

(3)勉強場所から家まで歩きながら30分勉強

  • 家から少し離れた場所で勉強していたので、家までおおよそ歩いて30分程度ありました。

  • 後述する暗記ノートを見ながら30分程度ブツブツつぶやきながら帰っていました。

 

おすすめの教材

  • 情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 

    この1冊で十分です。

     

勉強方法 

勉強方法のポイント

午後Ⅱの論文を書く作業は、きっちりやろうとすると2時間程度かかり、非常に疲れるため、論文を通しで書くトレーニングは、本番の少し前に数回程度しかしませんでした。

午後Ⅱの解答例を読むと、いくつかの型があることがわかってきます。

また、午後Ⅰの問題文と解答についても、プロジェクトの課題と原因、対策がよくまとまっており、午後Ⅱに活かせる要素があることがわかってきます。

 

この点を踏まえた、私の勉強法のポイントは3つです。

 

(1)解答の型を理解するために、問題の要点をまとめる。論文の目次と概要を書くイメージ。 

論文を全て書くわけではないため、負荷を軽減できます。

本多静六博士の「エキス勉強法」※に近い方法で、以下をまとめる。

 ※「エキス勉強法」については、本多静六「私の生活流儀」参照

 

<例>

■問題の概要

製造業のネットワークリプレース案件において、要員の残業時間が増加してきたため、対応方法を考える必要がある。

 

■目次と概要の整理イメージ

  • テーマ:

    製造業におけるネットワークリプレースPJ

  • リスクの兆候:

    要員の残業時間が増加

  • 原因:

    メンバーの新規ツールへの習熟度が低い。

    生産性が低いため、残業でカバーしている。

  • リスク評価:

    残業でカバーできるレベルを超えると、スケジュール遅延につながる。

  • 予防措置:

    新規ツールのトレーニングを実施。

    ツールの習熟度確認も含めて、トレーニングスケジュールを策定。

  • 予防措置が機能しなかった場合の対応計画:

    マネジメント予備費を使用し、要員追加。

  • 予防措置の評価:

    レーニングを受けたメンバーの感想をヒアリング。

    レーニング後の残業時間の監視。

    →両面から、効果があったことがわかった

  • 次案件向けの改善点:

    新規ツールを使う場合は、生産性を低めに設定して、プロジェクト計画を立てる。

(2)(1)の内容について、自分のプロジェクトに当てはめて、整理する。

「自分のプロジェクトについて、試験本番に書けるようにするため」と、「仕事で、試験勉強で学んだ内容が使えるようするため」に、実プロジェクトに当てはめて考える。

(1)で整理した「目次と概要」に関して、「自分のPJに当てはめた例」を書く。
これが試験本番時に記載する内容になります。

  • 午後Ⅱの論文を書く作業は、きっちりやろうとすると2時間程度かかり、非常に疲れる。
    このため、「目次と概要」レベルでの記載トレーニングが負荷的にはちょうどいい。

  • 実際のプロジェクトで困った時の対策がすぐに思いつくようになり、勝ちパターンを構築することができる

  • 問題によっては、実プロジェクトへの当てはめが難しいものもありますが、「何か仕事に活かせないか?」を考える行為自体が、問題をより深く理解することにつながる。  

(3)集中して暗記するために、歩きながら、ノートに書いたことをつぶやいて覚える。

(1)〜(2)でノートに整理した内容を、歩きながらつぶやいて、覚えます。

  • 本多静六博士の「行読法」※という勉強方法です。
    ※「行読法」については、本多静六「私の生活流儀」参照
  • 歩きながらつぶやいていると意外と飽きずに続けられます。
  • ダイエットにもなります。
  • 集中しすぎて事故らないように、安全な場所でやりましょう。
  • 暗記が捗ればこの方法でなくても良いと思いますが、私はこれが結構ハマりました。

(1)〜(2)については、綺麗にまとめることが目的ではなく、理解して覚えることが目的なので、記載方法は自由ですが、(3)の行読法がやりやすくなる形式にまとめた方がいいと思います。

  

具体的な勉強手順

勉強方法のポイントを踏まえて、具体的には以下の方法で勉強しました。

(1) 午後Ⅱの解答例、午後Ⅰの問題と解答例を読み、ノートに要素をまとめる。

■実施時期

  • 勉強開始〜1ヶ月目が終わるまで。
  • 午後Ⅱは過去問15年分(30問)。午後Ⅰは過去問10年分(30問)をまとめました。

■まとめること

「勉強方法のポイント(1) 論文の目次と概要」、「勉強方法のポイント(2) 自分のプロジェクトに当てはめた例」をまとめる。

■注意点

  • ノートに綺麗にまとめることが目的ではないので、まとめる時間にあまり時間をかけないようにしましょう。

  • ただし、後述(2)で使うため、ノート単独でわかるレベル、読めるレベルにまとめましょう。

(2)歩きながら、ノートに書いたことをつぶやいて覚える。

■実施時期

  • 勉強開始〜試験直前までずっと実施。
    ノートへのまとめが終わったものから順次着手。
  • 1日30分実施。
  • 前半に書いたものほどループ回数が多くなりますが、少ないところでも3周はノートを読み返しました。 

■注意点

  • 自転車等とぶつかって怪我しないように、安全な場所でやりましょう。
  • はかどるのであれば、歩かなくても結構です。
(3)論文を通しで記載するトレーニングをする。

■実施時期

  • 試験の1週前、2週前の土日で合計4問実施。

  • 実際に試験の制限時間で実施。

  • 問題は直近2年の過去問から選択しました。

(4)午後Ⅰの過去問を解く。

■実施時期

  •  勉強開始2ヶ月目の1週目〜2週目
  • 直近4年分(12問)を実施。

  • 解説の確認含めて、毎日1.5時間で1問ずつ実施。 

(5)午前Ⅱの過去問を解く。

■実施時期

  • 試験直前の1週間実施。
  • 直近5年分を実施。

  • 毎日1年分ずつ実施。間違えた問題は繰り返し解く。 

(6)試験当日。試験はものすごく疲れるので、試験の休憩時間はとにかく休んだ方が良い。

 

まとめ

この勉強方法を信じて継続していただければ、必ずや良い結果が得られると思います。

プロジェクトマネージャ試験をとると、まずはPMとしてのベースラインができるため、自信がつきます。

あとは、実務で経験を積むだけです。

試験勉強とだけ考えると大変ですが、「実務に役立つ」と考えて、頑張ってください。