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【書評】ハーバード・ビジネス・レビュー 2021年 5月号  〜競争と協調 ゲームのルールを書き換える〜

表紙は、「競争と協調 ゲームのルールを書き換える」です。

同じサービスを提供する会社が溢れる世の中において、競合他社に敗れないようするために、どのような場合に協調すべきかが紹介されていました。
自社のサービス単独で成長するか、他社と協調するかを判断する際に、参考になる情報が紹介されているので、是非読んでみてください。 

 

 

印象に残ったテーマ① 競合と協調する目的と実践方法

競合同士が協調する目的には、

  • 手間や努力の重複を避けてコストを抑える
  • 単独でプロジェクトを遂行するのに対してリスクを下げられる
  • 互いの会社の技能を融通し合える

といったことが挙げられます。
良いことだらけのように思えますが、協調した際に、自社の貴重な資産を守れるかという評価が重要です。
本書では、協調して問題ないかを判断する具体的な判断基準が紹介されているので、競合他社との協調を考える際には是非目を通してみてください。 

 

印象に残ったテーマ② 競合と自力で戦うか、エコシステムで戦うか

セールスフォースに買収されたスラックを例に、独立型のアプリケーションで自力で勝負する戦略「ベスト・オブ・ブリード戦略」、複数のアプリケーションから構成されるエコシステムに参加して勝負する戦略「インテグレーテッド・バンドル戦略」のどちらで戦うべきかの基準が紹介されていました。

当たり前ではありますが、アプリケーション単独で十分に魅力的で顧客を惹きつけることができる場合は、ベスト・オブ・ブリード戦略を取ることができます。
この例として、ズームが挙げられていました。

一方、強みとしているアプリケーションと類似のサービスが世の中に存在し、しかも、競合の方が価格面等で優れている場合は、アプリケーション単独で顧客を惹きつけることは難しいため、インテグレーテッド・バンドル戦略を取る必要があります。

今回例に挙げられているスラックにとっての競合はマイクロソフトのチームズです。
チームズの方が価格面、マイクロソフトオフィスのユーザにとっての導入障壁の少なさから、スラックに対して大きく強みを持っています。

こういった状況からスラックはマイクロソフトに対抗すべくセールスフォースと協調するインテグレーテッド・バンドル戦略を選びました。

この戦略を選ぶ上で難しい点は、思い入れのある自社サービスに対して、自社の強みを過大評価しないように、いかに客観的に俯瞰して状況を分析するかだと思いました。

 

印象に残ったテーマ③ 協調の具体例

KDDIによるソフトバンク楽天との協調や、アップルによるサムスンとの協調に例が紹介されていました。
各社の経営者共に、協調の是非をよく分析し、自社の成長に結び付けていることがわかります。
特に気に留めていなかった各社の協調事例ですが、 本書を読むことで、 KDDIによるソフトバンク楽天との協調や、アップルによるサムスンとの協調がすごいことであることに気づかされました。

まとめ

競合と他の会社が協調してしまい手遅れになる前に、単独で戦うか協調するか考える必要がありますね。
非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。