継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

日経コンピュータ 2021年3月18日号 〜特集 BCP、いま見直しの時〜

表紙は、「特集 BCP、いま見直しの時 障害・事故、災害やパンデミックに備えはあるか」です。

今回の号では、みずほ銀行のシステム障害の原因が紹介されていました。
そして、このみずほ銀行や昨年の東証の障害等、社会インフラを担う業務の継続性が揺らいでいる状況を受けて、BCPに関する特集が組まれています。

数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。

 

 

印象に残ったテーマ① GMOBCPに対する取り組み

昨今のコロナ禍や、数十年以内に発生が予想されている南海トラフ地震のリスクが高まっていることにより、BCP(事業継続計画)の重要性が高まっています。

BCPにおいては、ビジネスに影響を及ぼしうるリスクの洗い出しと、その対策の検討をどれだけしっかりとできるかが重要です。
こうしたBCPに関して、昨今のコロナ禍で十分な成果を上げたGMOの事例が紹介されていました。

GMOはコロナが本格的に拡大する前の2020年1月27日に感染拡大に備えたBCPを発動しました。
結果的には、このタイミングでBCPを発動したことが、先見の明があったと非常に評価されています。

なぜ、このように適切なタイミングでBCPを発動することができたのか。
それは、熊谷会長兼社長のBCPに対する取り組み姿勢が色濃くでています。
熊谷会長兼社長は、「自然災害やパンデミックはもちろん『もし核戦争が始まったら』というリスク」まで社内で真剣に議論しているようです。
こうした習慣を身につけている経営者が率いる会社は強いと思います。

 

印象に残ったテーマ② スマートホームの落とし穴

エアコン等、様々な家電を制御できるスマートホーム
非常に便利な商品ですが、全てをスマートホームに任せるのはまだ早いかもしれないと感じさせられる記事が紹介されていました。

スマートホーム上のソフトウェウはクラウドサービスを利用しているケースが多く、一度クラウドサービスで障害が発生すると、スマートホームの利用に重大な影響を及ぼします。
こうした障害を受けて、スマートホームに全てを任せる危うさと、1社のクラウドサービスに依存する危うさを感じました。

 

印象に残ったテーマ③ 三井住友銀行の次期勘定系システム

勘定系システムというと、みずほ銀行は4000億円台半ば、三菱UFJが3300億円を投じて刷新したように、莫大な投資が必要になるイメージがあります。
こうした勘定系システムに関して、三井住友銀行は、わずか500億円程度で刷新するというから驚きです。

これだけ少ない投資額で刷新できる理由は、プログラム資産に手をつけず、ハードウェアの更改とアーキテクチャーの見直しを主体にするためです。
昨今のDXでは、プログラム資産の書き換えを伴うケースが多いですが、三井住友銀行のように、更改の目的、既存資産の状況分析結果を踏まえて、本当にプログラム資産の書き換えが必要かを検討することが重要であることがわかりました。
これだけの低予算で更改が実現できれば、利用者に対するサービスレベル改善に取り組む余力を生み出すことができるため、是非とも成功して欲しいものです。

 

まとめ

銀行のシステムへの取り組みに関して、各行間で明暗が分かれるような記事が紹介されていました。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。