継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

【書評】ハーバード・ビジネス・レビュー 2021年 2月号  〜組織のレジリエンス〜

表紙は、「組織のレジリエンス 何があっても潰れない仕組みをつくる」です。

昨今のコロナ禍により経営難に陥る企業も多いことから、「レジリエンス」という言葉を耳にすることも多くなったのでは無いでしょうか?
レジリエンスは「困難が生じても、潰れることなく、再起できる能力」のことです。
新型コロナウイルスという大きな困難に直面している様々な組織において、レジリエンスが求められています。

本号では、アイリスオーヤマ会長のインタービューや、世界の高レジリエンス企業に対する調査等を取り上げ、レジリエンスを高めるための方法に言及しています。
今回のコロナ禍だけでなく、今後発生しうる未知のリスクへの対応にも役立ちますので、是非読んでみてください。 

 

 

印象に残ったテーマ① アイリスオーヤマレジリエンスを高める3つの要因

アイリスオーヤマの大山健太郎会長のインタービューが紹介されていました。
その中で、アイリスオーヤマがコロナ禍でも好調な業績を維持できたのは、「スピード」「多能工化」「設備の余裕」という3つの要因によるようです。

言葉にすると簡単そうに見える3つの要因ですが、本書を読むと、どれか一つでも中途半端になってしまうとバランスが崩れ、痛い目にあってしまうことが分かります。

特に、「スピード」を徹底するために、アイリスオーヤマが実践している週一回のプレゼン会議が、真似が難しいものであると感じました。

アイリスオーヤマでは、社長も出席する週一回のプレゼン会議を通過した商品が売れなかった場合、提案者ではなく、トップが責任を取ります。
このように、現場に責任を押し付けない風土があるからこそ、現場が自由に提案できるようになるのです。

「スピード」はこのような風土があるからこそ為せる技であり、経営者自身の責任感を高める必要がある難しい要素であると感じました。

 

印象に残ったテーマ② もしもの場合を考える

今回のコロナ禍を事前に予見することは難しいでしょうが、未知の困難が生じた際の動きを計画しておくことはできます。
その方法として、以下の方法が紹介されていました。

他の業界や国での出来事に目を向け、「もしこの業界(国)で同じ状況が生じたらどうなるだろう」と自問すればよいのだ。

より高い視座を持ち、情報収集する重要性を感じました。

 

印象に残ったテーマ③ 大山会長の経営哲学

大山会長の経営哲学が紹介されていました。

儲からないから人員整理するという考え方は、私の経営哲学にはありません。それをやりたくないので、赤字にならないように頑張るわけです。そして、儲かることは結果論にすぎません。お客様から評価してもらえる商品やサービスをつくり、結果としてそれが評価されたら利益がついてくるのです。

経営者のお手本のような素晴らしい経営哲学ですね。
このような経営者がいる会社で働ける社員は幸せだと思います。

また、次の言葉もあらゆるマネジメント層が意識する必要がある内容です。

企業は自助が当たり前だからです。誰かに助けてもらうのを期待するのではなく、いかなる環境でも自力で生計を立てられなければなりません。そのためには、個人の力に頼らない仕組みをつくる必要があります。 

 

まとめ

心に刺さる言葉が多く登場した号でした。
非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。