【書評】樋口泰行「僕が「プロ経営者」になれた理由--変革のリーダーは「情熱×戦略」」 〜プロ経営者になる方法を紹介〜
昨今、「プロ経営者」という言葉を耳にすることが増えてきたのでは無いでしょうか?
現代の日本のように、人口オーナス期の社会においては、従来の仕事の単なる改善だけでは、企業の成長が難しくなってきています。
そのような中で、社内の人間関係や文化等に対するしがらみがない、第三者である、プロ経営者に経営を任せて、大刷新を図ることが必要になってきたために、プロ経営者が増えてきたのでしょう。
本書では、そのようなプロ経営者の中でも特に優れた手腕を持つ樋口氏が、「プロ経営者になるために意識すべきこと」を紹介してくれています。
プロ経営者を目指す方だけでなく、「自身のマーケットバリューを高めたい」と考えている人にもおすすめの本です。
- 本の紹介
- 印象的なポイント① 多様な環境に身を置くことで、人としての「器」を大きくすることが重要
- 印象的なポイント② キャリアはマネジメント能力に集約される
- 印象的なポイント③ どのような状況でもプライオリティーをつける必要がある
- まとめ
本の紹介
筆者「樋口泰行」氏は、日本マイクロソフト株式会社執行役員会長を勤められています。
ハーバード大学でMABを取得後、アップルで勤務、HPで執行役員、ダイエーやマイクロソフトで社長を勤めるという華々しいキャリアを積んでこられた凄い方です。
本書を読むことで、プロ経営者になるために意識すべきこと、マーケットバリューを高める方法を学ぶことができます。
印象的なポイント① 多様な環境に身を置くことで、人としての「器」を大きくすることが重要
「ビジネスパーソンとしてのマーケットバリュー」を高めるためには、スキルや知識を磨き抜くことはもちろん重要だが、それだけでは十分ではない。多様な環境に身を置き、失敗と成功の経験を積み、さまざまな人と仕事をすることで、人としての「器」を大きくしていくことが大切だ。そして経営者・マネジメント層は、そうしたチャレンジができる環境を整えることが、最も重要な仕事の一つだという認識をもってほしい。
プロ経営者になるためだけではなく、転職や現在勤めている会社において、自分自身の価値を高めるために何をすべきかが紹介されていました。
スキルや知識をつけていくだけでなく、多様な環境に身を置き、様々な仕事に対応できるような能力を身につけていくことが大事なのですね。
岡島悦子氏「40歳が社長になる日」等の様々な本でも言われているように、幅広い経験を積んだ人の方が、マーケットバリューが高くなるのですね。
環境を変えるチャンスに積極的にチャレンジしたいと思いました。
印象的なポイント② キャリアはマネジメント能力に集約される
「キャリアは単なる知識やスキルの積み重ねではなく、マネジメント能力に集約されていくのではないか」と考えるようになったのである。
「キャリアとは何か?」をここまで端的に表した表現を見たことがありません。
筆者は自身の経験から、キャリアを一言で表せるレベルにまで理解が深まっているのでしょう。
華々しいキャリアを積んできた筆者の考えですから、非常に説得力があります。
若いうちは個人として成果を出すことができれば評価されますが、それだけではダメということですね。
チームとして如何に成果を出すかが重視されます。
早い段階から大人数をマネジメントするチャンスに積極的にチャレンジしたいと思いました。
印象的なポイント③ どのような状況でもプライオリティーをつける必要がある
経営者ともなると、会社で生じる様々な課題に対する会議に全て出席していては、どれだけ時間があっても足りません。
そのような中で、経営者自身が本当に取り組むべき課題に集中して取り組むためには、取捨選択が必要です。
全ての問題が重要そうに思える場合においても、各問題を大局的に俯瞰し、優先順位をつけられる能力が経営者には求められているということですね。
この能力は、経営者に限らず、チームをマネジメントするリーダーにも必要な能力であり、実務の中で磨いていくことができる能力です。
自分自身のプライオリティーの付け方を早く確立していきたいものです。
まとめ
樋口氏の凄い熱量をひしひしと感じる本でした。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。