【書評】日経コンピュータ 2020年7月23日号 〜ローコード革命 アフターコロナのDXを乗り切るカギ〜
表紙は、「ローコード革命 アフターコロナのDXを乗り切るカギ」です。
DXを進めるために不可欠な高速開発の手段として、ローコード開発が紹介されています。
コーディングが完全に不要になる可能性を秘めたパワフルな手法を知ることができます。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
印象に残ったテーマ① ローコード革命による大幅な納期短縮、迫られる上流シフト
コードをなるべく書かない「ローコード開発」が浸透しつつあるという記事が紹介されていました。
既にマイクロソフト、セールスフォース・ドットコム等はローコード開発ツールに力を入れています。
ローコード開発により、従来1年以上開発に要していたような案件が数ヶ月で終わったり、コーディングしない分、製造等の下流工程の仕事が減り、要件定義などの上流工程の仕事の重要性が高まっていくようです。
昨今のDXの流行の中で、開発スピードの重要性が高まっているため、SIerもローコード開発スキルを身につける必要があると感じました。
印象に残ったテーマ② みずほの勘定系刷新の成果
みずほが勘定系の刷新に成功したことによるメリットがいくつか紹介されていました。
例えば、顧客情報を一元管理したことで、事務センターの集約による効率化が行え、これまで後方事務を担っていた人員を顧客と向き合うフロント業務にシフトさせることが可能になったようです。
また、開発期間の大幅な短縮にも成功し、着実に勘定系システムの刷新による成果が出始めているようです。
このような話を見ると、大変な痛みを伴ってでも、2025年の崖に直面する前に、会社の重荷になっている勘定系システムを刷新し、効率化していく重要性を感じました。
印象に残ったテーマ③ IT担当者はプロCIOを目指すべき
前号に引き続き、プロCIOに関する記事が紹介されていました。
これからDXを推進するためには、その指令塔となる優秀な人材が必要なため、プロCIOのニーズが高まるということなのでしょう。
DXを推進するためには自社の人材だけではスキル不足になる可能性があるため、積極的な中途採用が必要です。
その際、自社のCIOが他社のことを全く知らないようなようでは、優秀な人材を見極めることができず、優秀な人材が集まりにくくなってしまいます。
そのため、転職を経験している、広い視点を持ったCIOの存在価値が高まっているようです。
このことから、IT担当者は終身雇用を信じて1社に留まるよりも、自分の価値を高めるために積極的に転職し、チャレンジする姿勢が求められていると思いました。
今の楽を取るよりも、将来の自分の価値を高める行動に重きを置くように気をつけたいものです。
まとめ
ローコード革命のように普段の業務では関わることがない知識を幅広く得られるのが日経コンピュータの良いところです。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。