【書評】日経コンピュータ 2020年4月16日号 〜DXに効く「日本語テック」言葉を理解するAIの衝撃〜
表紙は、「DXに効く「日本語テック」言葉を理解するAIの衝撃」です。
「世界的に難しい部類に入る日本語」に対する、「AIの理解力」が上がっており、利用シーンが広がっている記事等、様々なDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の記事が紹介されていました。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。
- 印象に残ったテーマ① 日清食品が高難易度の需要予測に挑む
- 印象に残ったテーマ② AIの日本語処理能力向上により、利用シーンが増加している
- 印象に残ったテーマ③ 「Amazon Go」の技術を外販
- まとめ
印象に残ったテーマ① 日清食品が高難易度の需要予測に挑む
日清食品ホールディングスのCIOに「喜多羅滋夫」氏が就任して以来、
を実現してきたようです。
クラウド移行により、リソース不足への対処が簡単になったため、今後は業務の本丸「需要予測」に取り組むようです。
これにより、売れ筋商品の在庫不足による機会損失、あるいは、売れ残りを防ぐことを目指します。
本記事で凄いと思ったところは、「喜多羅滋夫」氏がしっかりとシステム開発のリスクを把握し、適切な順番でシステム開発を行っていたことです。
あまりシステムリスクが分かっていないCIOだと、基幹システムの刷新とクラウド移行を同時に進めてしまう可能性があったと思います。
しかし、「喜多羅滋夫」氏は正しく同時対応によるリスクを認識しており、システム刷新→クラウド移行というステップを踏みました。
やはり現場でしっかりとした経験を積んでから、CIO等の重要なポジションに就くことが重要なのだろうと思いました。
印象に残ったテーマ② AIの日本語処理能力向上により、利用シーンが増加している
AI技術が進化し、日本語の理解力が実用レベルに近づいているようです。
それによって、以下のようなサービスで使われている例が紹介されていました。
- プレゼンスキルの向上サービス
- 会議の議事録作成
- 飲食店予約の電話自動応答
- 業務文章検索
- 専門文書の自動翻訳
「自分の業態でも利用できないか?」と考えさせられる記事でした。
印象に残ったテーマ③ 「Amazon Go」の技術を外販
Amazonがレジ無し店舗「Amazon Go」の技術を外販し始めたようです。
レジ無し店舗が十分に増えていれば、少ない店員で店を回すことができ、新型コロナウイルスの影響も小さくできていたでしょう。
今後のレジ無し店舗の広がりに注目です。
ただ、せっかく大量の開発費を掛けて開発した「Amazon Go」の技術を外販するのは何故なのでしょうか?
それは、小売業は利益率が低く、サービス業の利益率が高い点に注目した結果のようです。
確かに小売業は在庫を抱える必要があるため、どうしても在庫管理コストや需要の増減により収益に影響を受けます。
ただ、サービス業は在庫管理コストがなく、また、一度導入されてしまえば、一定のサービス料を得られ、安定した利益を生み出すことが可能です。
経営戦略を踏まえて、システムを有効活用するAmazonの強かさを感じました。
まとめ
AIを始め、現在の技術水準でどの程度のことが可能なのかを日々キャッチアップする重要性を感じました。
紹介した内容以外にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。