継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

【書評】ハーバード・ビジネス・レビュー 2020年 5月号  〜顧客の持つ価値を問い直す〜

表紙は、「顧客の持つ価値を問い直す」です。

「顧客が企業価値の源泉であるという考え方」から、顧客第一主義を貫くために企業の組織を変える方法、顧客数等をもとに企業価値を測る方法、顧客とのつながりを利益に変える方法を紹介しています。

また、顧客第一主義の実践例として、キリンが如何にして顧客ファーストを実践しているかを紹介しています。 

数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。 
 

 

 

印象に残ったテーマ① 顧客から愛されることが企業の将来価値を決定する

多くの企業は、目先の収益を改善するために、顧客をないがしろにしてしまいがちのようです。

例えば、「品質面での妥協によりコストを下げたり」、「顧客が理解できないような複雑な料金体系により多くの金額を搾取したり」といったことが、これに当たります。

 

本書では、このような顧客をないがしろにした対応は、企業の将来価値を下げることにつながってしまうと述べています。

 

それよりも、顧客を第一に考えることで、企業の将来価値を数倍にも向上できるため、顧客第一主義をこれからの経営では念頭に置くべきと提言しています。

 

昔から「お客様は神様です」という表現がありますが、業務の効率化を目指す世の中の流れの中で、少しずつこの考え方が失われつつあったのでしょう。

これからの世の中では改めて、「お客様は神様です」という意識を持って会社経営できるかどうかで、生き残れるかどうかが決まってくるのでしょう。

 

印象に残ったテーマ② 顧客とのつながりを大事にしないと生き残れない

昨今のオンラインショップやSNS等のデジタル技術の進歩により、以前よりも顧客と企業との直接的なつながりが増えています。

このような社会の変化に気づかずに、顧客とのつながりを軽視していると、他社にあっという間に大きな差をつけられてしまいます。

 

オンラインショップやSNS等のデジタルコンテンツを元に、顧客のニーズを直接把握し、一人一人の顧客に最適なサービスを提供し続ける動きがどんどん広がっています。

 

このような取り組みを実現するために、デジタル技術は不可欠であるため、企業経営者もデジタル技術に対して一定の知識を有する必要があるのでしょう。

 

印象に残ったテーマ③ キリンは顧客第一主義を体現している

第三のビール本麒麟」や主力ブランド「一番絞り」の開発において、如何にして顧客ファーストで考え、売り上げを伸ばしたかが紹介されていました。

 

まず、顧客ファーストを実現するために、顧客ニーズを捉える重要性が述べられていました。

キリンでは、顧客ニーズの仮説を立て、仮説と実際の顧客ニーズの溝を埋めるために、直接顧客に意見を聞きに行っているようです。

多くの顧客の声を聞き、顧客ニーズを正しく把握していることが、キリンブランドの強さの源流になっています。

 

また、顧客ファーストを貫くために、ブランド毎に顧客価値を追求しやすい組織作りもしたようです。

従来は「役割毎に部門を分け、各部門が複数ブランドを扱う組織形態」でしたが、「ブランド毎に部門を分け、1つのブランドは1つの部門で扱う組織形態」にしたようです。

会社一丸となって、顧客価値を追求している姿勢がよくわかります。

 

キリンの例を参考に、自分の会社ならどうやって顧客ファーストを実現できるかを考えるかが重要でしょう。

 

まとめ

昨今、「お客様は神様です」は古い考えとして廃れつつあるかと思っていましたが、やはり企業経営において最も重要な考え方のようです。

自分の会社、普段の仕事で顧客ファーストを考える癖をつけることが重要なのでしょう。  

非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。