継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

【書評】日経コンピュータ 2020年2月20日号 〜ハッピーか? AI格付け社会 「信用スコア」の光と影〜

表紙は、「ハッピーか? AI格付け社会 「信用スコア」の光と影」です。

 

LINE Score(ラインスコア)等の、AIによるスコアリングサービスの技術的な説明や実用例が紹介されています。

また、ユーザ企業における、システム部門の力を高める活動例も紹介されていました。

 

数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。

 

 

印象に残ったテーマ① 約束を守れる人は高得点!AIによる信用スコアリング

LINE Score(ラインスコア)やYahoo!スコア、ドコモスコアリング 等の、AIによるスコアリングサービスが紹介されていました。

 

従来の金融ローンの貸し出し審査の基準では、職業や残高、過去の借入実績、返済実績といったものが重視されていました。

一方、AIによるスコアリングでは、例えばLINE上でのメッセージのやり取り等の日々の行動も信用度を算出する要素として利用されます。

これらの日々の行動データも含めて信用度を算出することで、いままで以上に信頼性の高い信用度が算出できるようになるでしょう。

 

特に、仕事が安定しないフリーランスの人達は、職業等を重視した従来の信用スコアリングでは低い評価になってしまっていました。

しかし、AIスコアリングにより、日々の行動や、過去受注した仕事に対する成果等を踏まえて信用度を算出できることで、適切な評価が受けられるようになります。

 

今後フリーランス人口はより増えることが予想されるため、これからの世の中に適したスコアリングサービスと言えると思います。

 

印象に残ったテーマ② 老舗寝具メーカーがサブスクリプションサービスを狙う

ベットやマットレス等の寝具は一度購入したら、しばらく買い替えませんよね。

そのため、寝具メーカーとユーザーは一度きりの付き合いとなることが多いものと思われます。

 

そういった中で、西川産業は、マットレスで睡眠のパーソナルデータを解析できるようにし、ユーザーに適切な寝具を提案するサービスに取り組もうとしているようです。

この取り組みにより、ユーザーに一度寝具を購入してもらって終わりではなく、定期的な寝具のメンテナンスや交換の提案によるサブスクリプションサービスを推し進めようとしているようです。

 

睡眠は全人類にとって必ず必要なものであり、一生ニーズがなくならないため、良いサービスだと思いました。

また、400年以上も続いている西川産業のような老舗も、生き残りをかけて、DXへ取り組んでいる点が印象的でした。

 

印象に残ったテーマ③ DX推進にはユーザー企業側のITリテラシー向上が必須

以下のように、ユーザー側企業主導でシステム開発を進める取り組みをしている記事が印象的でした。

  • 大手外食チェーン「わたみ」が新規サービスを開発するために、自社のIT部門の力を高め、ベンダーの言いなりにならないようにしようとしている。
  • 三井住友ファイナンス&リースが営業支援アプリを自社でアジャイル開発。

やはり、DX推進には、各社の強みであるビジネスとIT技術を密接にスピード感を持って連携させることが重要だと思います。

そのために、ビジネスをよく知る人材自身が高いITリテラシーを持つことで、自社でスピード感を持って開発できたり、ITベンダーに適切に要件を伝えることができるようになるのだと思います。

 

ユーザー企業の人材が高いITリテラシーを持つようになろうとしていることを受けて、ITベンダー側は今まで以上に高いレベルでのIT技術力や、顧客ビジネスの理解が求められるようになるでしょう。

ユーザー企業の動向を正しく把握して、自己研鑽する必要があります。

  

まとめ

AIによる信用スコアリングや寝具メーカーのマットレスによるパーソナルデータの解析等、昔はできなかったことが、技術の進化によりどんどん可能になっています。

こういった流れに乗るためにも、日々の技術情報の収集が大事だと思いました。

他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。