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【書評】岩瀬大輔「ハーバードMBA留学記」 〜世界一の大学での一流の人々との素晴らしい体験を紹介〜

本書のタイトルはMBA留学記ですが、単なるMBAのハウツー本ではありません。
世界一の大学ハーバード大学で、授業や周囲の留学生、岩瀬氏の会社の同僚・先輩から学んだこと、アメリカから見た日本の姿等を紹介しています。


本書を読むことで、様々な、新しい考え方、素晴らしい考え方に触れることができます。
これらの考え方に増えるためにも、是非本書を読んでください。 

 

本の紹介 

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

  • 作者:岩瀬 大輔
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

著者の岩瀬大輔氏は凄い経歴の持ち主です。

本書では、ハーバードでの留学経験だけでなく、様々な新しい考え方を紹介してくれています。
きっと、「視野が広がった!」と感じられると思います。

 

印象的なポイント① キャリアビジョンを見つけることは難しいが、日々の行動は誰でも変えられる

P294

ところで、ビジョンが思いつかない人もいるかと思うのですが、そういう人に福音になる考え方があります。従来は自分の転職を探すのがキャリアの理論の主流で、どこに錨を下すかを探す「キャリア・アンカー理論」が一般的な考え方でした。ところが、最近はプランド・ハップンスタンス(計画された偶然性理論)という考え方が出てきました。これはどういうことかというと、「キャリアは偶然の積み重ねで予期せぬ出来事でできる。だから、予期せぬ出来事をいかにチャンスに結び付けるかが大事。ゴールは生涯にわたって学習する、あるいは毎日をエンジョイすることで、キャリアの意思決定をするということではない。そして必要ならチャンスを作り出す行動をする」ということで、スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授が提唱しています。
その行動は5つあって、1つは自分の好奇心をとどめずとことん突き詰める、あるいは自分が身につけたいスキルを伸ばせる仕事をやること。次に持続する、つまりあきらめずにやり続け、学び取ること。さらに楽観すること。そして、リスクテイクし、積極的にミスを犯せということ。最後に柔軟であり、キャリアを決めつけずに、それはあくまで偶発的事象の結果と考えるということです。つまり、ビジョンが思い浮かばない人は、何かのビジョンに向けて意思決定するのではなく、取りあえず行動を変えてチャンスを作り出せ、ということなのです。

「自分の天職が見つかっていますか?」
天職と言えるものが見つかり、自分の将来に対して全力で走れる人は幸せですね。

実際には、天職が見つかっている人は、稀なのではないでしょうか?

この文章を読むと一見、「キャリアビジョンを設定しなくてもいい。」というように読めます。
ただ、私は、「キャリアビジョンを設定しなくてもいいわけではない」と解釈しました。

望んだキャリアになっているかどうか評価するためにも、仮にでもキャリアビジョンを設定しておく必要があります。
ただし、完璧なキャリアビジョンを設定すること自体が人生の目標ではありません。
また、設定したキャリアビジョンに縛られる必要もありません。

  • より良いキャリアビジョンの設定、人生設計ができるように、目の前のことを疎かにせずに、全力で楽しむ。
  • キャリアビジョンがしっくりこない時は、日々の行動を変えて、キャリアビジョンを見つけるためのチャンスを増やす。


つまり、「キャリアビジョンの設定がゴールではなく、その過程を楽しむことが重要」なのですね。
キャリアビジョンの実現は保証されていませんが、その過程を楽しむのは誰でもできるはずです。
良い考え方ですね。

 

 

P320

「僕も君くらいの頃は、人生というものは目標があって、そこに向けて全力で走っていくものだと考えていた。でも、今は違う。その瞬間瞬間のプロセスをどれだけ楽しめるかがすべてだと思う。僕は、今自分がやっている仕事が楽しくて楽しくてしょうがないし、年を取ってもずっとやりたいと思っている」

岩瀬氏の尊敬するアントレプレナーが言った言葉です。
すごい人は、前述の理論(プランド・ハップンスタンス(計画された偶然性理論))と同じことを感じるようになるのですね。

日々楽しみ、全力で行動する人のところに、理想のキャリアが勝手に近づいてきてくれるのだと思います。
仮に理想のキャリアが実現できなかったとしても、過程を楽しむことができたのなら、キャリアを実現すること以上に価値があることだと思います。

日々の仕事を全力で楽しめているか?
ことあるごとに考える必要がありますね。

 

印象的なポイント② 成功者からのキャリア上のアドバイス

P310

1.Do something you enjoy. 職場は朝から晩までいるところなのだから、本当に楽しいと思える仕事を選びなさい。
2.Deliver results. 仕事が与えられたら、その大小や自分の役割にかかわらず、とにかく必死に行なって結果を出しなさい。そこからチャンスが次々と広がっていくはず。
3.Note down your learnings. 私は7社を渡り歩いたけれど、月に1回は自分の仕事を振り返り、学んだことをノートに書き留めることにした。皆さんもそうされたし。
中略
6.Be fun to work with. 一緒に仕事をしていて、楽しい人でいることを心がけよう。

eBayのCEO Meg Whitmanからのアドバイスです。

  • 日々の仕事を全力で楽しむことがチャンスを引き寄せる
  • 成長を振り返る
  • 一緒に働く仲間を生き生きとさせる

これらのことを、日々の仕事の中でどれだけ意識できているでしょうか。

成功者のキャリア上のアドバイスなので、成功が約束された法則ですね。
日々の仕事の中でしっかりと意識したいものです。
全部で10個のアドバイスですので、是非他のアドバイスにも目を通してください。 

 

印象的なポイント③ プライベートを疎かにしていては一流になれない

P285

社会的な「成功」の条件として、どれだけ仕事が忙しくとも子どもを送り迎えし、運動会やお誕生会にはちゃんと参加する、あるいは独身であれば、自分の時間は趣味に打ち込み、上手に遊び、精神的な豊かさを実現する、そういう姿が求められているわけだ

日本も最近変わりつつありますが、仕事だけできてもダメということですね。
よく聞く話で、仕事を定年退職した後にやることがなく、すぐボケてしまったり、自殺してしまったりする老人がいるようです。

人生は、仕事だけでできているわけではありません。
短い人生の中で、どれだけ楽しいと思えたことを増やせるかで、良い人生かが決まります。
楽しいと思えることは、仕事、プライベートのあらゆる場面に潜んでいるはずです。

楽しいと思える経験をたくさんするために、目の前のことに全力でとりくみ、チャンスを増やすような行動を徹底したいものです。

 

まとめ

本書を読んで、「周囲の人の話をよく聞き、新しい考え方に触れることが重要」だと感じました。
きっと、本書を通じて新しい考え方に多く出会うことができると思います。

他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

  • 作者:岩瀬 大輔
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)