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【書評】小笹芳央・小畑重和「アイ・カンパニーの時代」 〜キャリアビジョンを定める方法を紹介〜

本書は、自分自身を、「自分株式会社の社長」と捉えて、経営目標を定め、努力しようという内容です。
本書に書いてあることを実践して目標を明確化した人と、目標を立てていない人では、数年後にはもの凄く大きな差がついてしまうはずです。


成長するためには、一日でも早くこの本に記載されたことを実践するべきと自信を持って紹介できる本です。 

 

本の紹介

「アイ・カンパニー」の時代―キャリアを鍛える。モチベーションを高める

「アイ・カンパニー」の時代―キャリアを鍛える。モチベーションを高める

 

著者「小笹芳央」氏は、早稲田大学卒業後、リクルート入社、人材開発関連の仕事を多くこなした後に、「リンクアンドモチベーション」を設立した方です。
リンクアンドモチベーション」は、「モチベーション」をテーマに、企業向けの人材開発等を提供している会社です。


「小畑重和」氏は、京都大学卒業後、リクルート入社、人材開発課長等を経験された後に、「i-Company」校長を担当。


本書では、人材開発のプロである両名が、これからの社会で生き残るために、自分で目標を定める重要性と方法を説明しています。 

 

印象的なポイント① 自分株式会社を設立する

P33

"「アイ・カンパニー」とは、自らをひとつの株式会社に置き換えて、自分はその経営者になる”もの

P38

「ウチの会社はビジョンがなくて」という不平をよく耳にします。「では、あなたのビジョンはどういうものですか」という問いに、あなたは答えられるでしょうか。

「アイ・カンパニー」の経営者である以上、この質問に正面から答えなければなりません。不十分でも不明確でも良いから、自分の言葉で語れるようになるー。まずはそのための努力を始めることが、アイ・カンパニー経営にとって重要なことなのです。

自分が目指すべき方向性が見えていますか?
本書では、自分をひとつの株式会社として捉えて、経営目標を立てようということが書かれています。


自分の人生に責任を持つためには、目標を持って、課題を特定し、解決するために努力を継続することが必要です。
自分の人生(特にビジネスパーソンとしての人生)に責任が持てない時に、この「自分をひとつの株式会社として捉える」という考え方は非常に有用だと思いました。 

 

印象的なポイント② 自分株式会社の経営目標を立てる

P118−119

イ・カンパニーの「モチベーション」=「やりたいこと」、「筋力」=「「やれること」、「環境認識」=「やるべきこと」を考察してきました。これら三つの輪の重なり合う部分を言語化するのが、アイ・カンパニーにとっての経営目標の設定です。

P44

三つの輪の重なり部分の面積が広いアイ・カンパニーは「強い会社」であり「市場に対する適応力の高い会社」なのです。この部分を見極め、できるだけ面積を広げることがアイ・カンパニーの経営方針になります。

本書では、会社の経営目標を立てるために、モチベーション」=「やりたいこと」、「筋力」=「「やれること」、「環境認識」=「やるべきこと」を明確にするための具体的な方法が紹介されています。


まずは、自分の三つの輪を特定し、経営目標を立てることが重要ということですね。
そして、自分の行動次第で、三つの輪の重なり範囲を広げられるように、「自己研鑽で「やれること」を増やし」、「興味の幅を広げるように色々なことにチャレンジし「やりたいこと」を増やす」ことが必要です。

 

印象的なポイント③ 自分株式会社を繁栄させる

P127

「相反する筋力を身につけている人間は強い」のです。

なぜ「強い」のか。それは、「相反する筋力を身に付けている人間は少ない」からにほかなりません。

一つの能力だけで競おうとすると、天才に勝てないので、「複数の能力の掛け合わせで勝負する」という考え方は非常にタメになりました。
技術力、英語力、プレゼン力等、仕事に必要な能力は無数にありますが、自分はどの能力の掛け合わせで勝負するかを決める必要があります。

 

P156

万人に同じように与えられた「時間」という資源の使い方で、実力格差はとてつもなく開いていきます。「濃い時間」を過ごすためにも、やり残していると感じることにはすぐにでもとりかかりたいものです。

 生まれながらに経済格差、能力格差はありますが、唯一「時間」だけは万人に平等に与えられています。
ただし、「時間の使い方」で大きな差が出ます。
やるべきことにすぐに手を付けて、どんどんこなし、濃い時間を過ごしたいものです。

 

P169

現在の自分は、過去の無数の選択の蓄積によって形づくられていると言っても、過言ではないでしょう。

重要なのは、こうした「選択」が、基本的には自分自身の「責任」によって行われてきたということです。 〜

「選ぶ」ということは「捨てる」という行為と裏表の関係です。

ある道を(意識するかしないかは別にして)選択した時、その人は同時に他の可能性を捨てているのです。

成功するためには「自分が大事なものは何か?」を把握し、そのことに時間を使うように集中する必要があります。
まずは、本書の説明にそって経営目標を立て、「自分が大事なものを言語化」し、「自分が大事なもの」に集中したいものです。

 

まとめ

さすがのリンクアンドモチベーション創業者の本だけあって、非常にモチベーションが上がります。
会社に依存して、会社に生殺与奪を握られるのはリスクがありますよね。
そうならないためにも、自分自身のビジョンを持って、努力する必要があります。
自分株式会社の経営目標は、一度作って終わりではなく、定期的に見直ししたいものです。 

他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

「アイ・カンパニー」の時代―キャリアを鍛える。モチベーションを高める

「アイ・カンパニー」の時代―キャリアを鍛える。モチベーションを高める