【書評】デイル・ドーテン「仕事は楽しいかね? 最終講義」 〜ビジネスパーソンの目指すべき理想形を紹介〜
「仕事は楽しいかね?」では「個人として仕事を楽しむための方法」、「仕事は楽しいかね?2」では「チームとして仕事を楽しむための方法」が紹介されました。
完結編である、本書「仕事は楽しいかね? 最終講義」では、「会社の宝となり、周りの人に、仕事が楽しくなるような影響を与えられる人材になる方法」について述べられています。
「ビジネスパーソンとして目指すべき理想形」が気になっている方に非常にオススメの本です。
また、モチベーションがあがる実話や名言が多く紹介されているので、オススメします。
この本は、老人と主人公の対話形式で物語が進行します。
文体は非常に読みやすいですが、完結編だけあって、内容が難しいです。
一般的なビジネス書のように一問一答形式ではないので、人によって本の解釈は異なると思いますが、私なりの解釈を基に本書を紹介します。
本の紹介
デイル・ドーテンは、米国を代表する人気コラムニストで、人材育成、キャリアアップによる能力開発や成功をテーマに独自の理論を展開しています。
元々は、マーケティング・リサーチ専門会社、リサーチ・リソーセスを起業し、マクドナルド等を顧客に持つ全米でもトップレベルの会社にまで成長させた方のようです。
本書は、「仕事は楽しいかね?」3部作の3作目完結編です。
印象的なポイント① 会社の宝になるメリットは?
P217
与えられた仕事以上のことをすることで、彼らは職場全体の意識を高め、周りの人々をも向上させる
こんな人が周りにいたらすごいですよね。
すでにこんな人に出会えているのであれば、羨ましい限りです。
どの会社に行けば、そういう人にであるか教えて欲しいくらいです。
自分がこういう人になってみようというのが、本書の主題です。
印象的なポイント② どうすれば会社の宝になれるか?
3つの能力
P215
彼らは愛される非常識人である。
彼らは他人の頭脳を惹きつけるセクシーな頭脳を持っている。
彼らは人がコミュニケーションを必要としていることを感じ取る能力、組織的直観力を持っている。
別の言い方をすれば、彼らは普通の人とは違うやり方で考え、学び、かかわりを持つのです。このうち、一つでも持っていれば、その人は特別な人間です。
どれも超人的な能力のように見えますね。
まるで凡人には到達できないようなスキルを指しているような表現ですが、実際にはそんなスキルを指しているわけではないようです。
それぞれ、努力すれば、身に付けられます。
1.愛される非常識人
P105
まず論理的な解決策を見つけ出し、さらにその先まで行く。
いい計画を思いついたときは、立ち止まってはいけない。いい計画を思いついたことを喜び、それをいったん脇に置いて自問するんだ。『これをどれだけ素晴らしくできるだろう?』って。それが具体的な計画を見つけた自分に対するごほうびなんだ。そうすれば、飛躍するチャンスはおのずから訪れる。
「非常識人」というと、かなりヤバいやつを思い浮かべてしまいますが、そんなものでありません。
まずは、通常のロジカルシンキングのプロセスに従い、解決策を出します。
普通の人は解決策を出して満足してしまいますが、「会社の宝」になるような人は、ここで満足してはいけません。
さらに、より良い解決策がないかを考える必要があります。
やること自体はシンプルなので、普通の人でも努力を続ければ、十分到達できるレベルです。
ただし、一定の成果が出ただけで満足しないことが必要なので、かなりの根気が必要でしょう。
2.他人の頭脳を惹きつけるセクシーな頭脳
P133
答えを用意しておく必要はない。
ただ「もし・・・・・・だったら」や「他にはないか?」という質問をたっぷりするだけでいい。
「セクシーな頭脳」のインパクトが強すぎますが、要は、他の人の知識も総動員できるように、適切な質問を投げかけるということだと理解しました。
いかに、他の人が頭を有効活用できるように、良い質問ができるかがポイントです。
質問するためには、相手の専門分野についても、ある程度の知識をつけておく努力が必要です。
そのため、セクシーな頭脳を持った人になるため、色々なことに興味を持って、幅広い知識をつけておく必要があると思います。
3.人がコミュニケーションを必要としていることを感じ取る能力、組織的直観力
P188
彼は愛される非常識人であり、
みんなに夢を見せて大きな頭脳に加え、
意義あることをしたいという
みんなのニーズに訴えかけることで、
輪のつなぎ手となったのです。
周りに自分の力を持て余している人がいるはずであり、機会があれば、良い仕事をしてくれるということでしょう。
この力を引き出すために、頻繁に周囲の人とコミュニケーションをとって、周りの人の強みやニーズを理解しておく必要があるということでしょうか。
「会社の宝」になるような人は、色々な人の力を集結させて、大きなことを実現できるということかと思いました。
印象的なポイント③ 具体的に何から始めるべきか?
P237
ぜひ試してみてほしい。
まずは何か”完璧な”ものをみつけ、
それをより良くすることから始めるのだ。
実際の仕事だと、先人がやってきたレベルと同じレベルでできれば、満足するレベルと認定されると思います。
が、それをもう一歩踏み込んで、自分なりの工夫をして、より良いものにすることを目指す必要があるということですね。
仕事の期限や、近年の働き方改革による労働時間の制限がある中でも、自分なりの工夫を加え、過去よりも良いレベルを目指し続けていくことが、非凡な存在になるためには必要ということですね。
まとめ
せっかく人生の大部分を働いて過ごすのであれば、「会社の宝」と呼ばれるような、すごい人になりたいですよね。
この本では、色々な成功者の仕事ぶりや名言が多く紹介されています。
どれもモチベーションが上がるものばかりです。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。