【書評】岩瀬大輔「入社1年目の教科書」 〜新人だけでなく、ベテラン社員も読むべき仕事の原則を紹介〜
最初は新入社員の時に読み、非常にタメになりましたが、社会人歴が長くなった後に読んでも、改めて気づかされる点がたくさんある非常に良い本です。
自分自身を高めるヒントをたくさん教えてくれます。
また、部下・後輩への指導にも使えます。
本の紹介
著者の岩瀬大輔氏は凄い経歴の持ち主です。
- 東京大学法学部在学中に司法試験に合格
- ボストンコンサルティンググループで勤務
- ハーバード経営大学院(HBS)を日本人4人目のベイカー・スカラー(成績上位5%表彰)として修了
- 元ライフネット生命保険取締役会長
「入社1年目の教科書」では、成功者である岩瀬大輔氏が、仕事の中で意識していたポイントをたくさん教えてくれます。
印象的なポイント① 仕事は根回し
P66
一般的に、会議で結論を出すまでには、いくつかの作業フローがあります。
①情報を共有する
②論点を頭出しする
③論点に対する出席者の考えを醸成する
④議論する
⑤結論を出す
P67
会議の場を最大限に生かすには、実ある議論と結論をだすこと、つまり④と⑤に特化する必要があると思います。そのためには、①から③の工程を会議の前に済ませ、参加者からのフィードバックを聞いておく必要があります。これが根回しと呼ばれるものなのです。
P68
「基本的なことの合意形成」
「対処可能な反論をつぶす」
根回しとは、行程③と④の間に、こうした作業を入れ込む行為なのです。
会議にいきなり臨むと、「大勢の前では発言しにくく、いい意見が出なかったり」、「各出席者の立場の建前上、強い反発にあってしまう」ことがあります。
こういう経験も踏まえて、「根回し」の重要性については、分かった気になっていましたが、会議全体の内、どの部分が「根回し」に当たるのか言葉で理解できていませんでした。
「根回し」は会議前に多くの時間を使うことになりますが、会議で議論するまでに上記のような、「対処可能な反論をつぶす」ところまでできていれば、会議自体が短い時間で終わります。また、会議後の持ち帰りタスクも減らせ、全体としての生産性は非常に上がると思います。
印象的なポイント② 目の前だけでなく、全体像を見て、つなげよ
P111
全社的な目的に、自分の仕事が貢献できることを考えながら行動することです。
P113
全体像を見る目線を持たない人が成長する姿を、僕は見たことがありません。企業価値を高め、業界や日本の発展に貢献できる人になるためにも、マクロとミクロの視点を持ちましょう。
目の前の仕事に追われていると、どうしても視野が狭くなってしまいますよね。
忙しい時にこそ、この言葉を思い出して、自分の仕事が、部の戦略、会社の戦略に、どのようにつながっているかを考えることが重要です。
こうすることで、会社に貢献できますし、自分の仕事のやりがいも大きくアップすると思います。
印象的なポイント③ ビジネスマンはアスリート
P183
日々リセットし、毎朝最高のコンディションで職場に向かうようにしてください。
P184
疲れて眠そうな顔をしてオフィスに入っても、最高のパフォーマンスを発揮することは無理です。アスリートになったつもりで、コンディショニングにも時間とお金と頭を使ってください。あなた自身のためにも、非常に重要な仕事です。
野球選手が二日酔いや寝不足のままバッターボックスに立ったりしませんよね。
スポーツ選手だけでなく、社会人も給料を貰っている以上、プロとしての自覚を持つ必要があります。
常に最高のパフォーマンスが出せるように、食事や睡眠に気をつける必要があります。
ついつい、忙しくなると食事や睡眠をおろそかにしがちになるため、「ビジネスパーソンはアスリート」という言葉は頭に刻み込む必要があります。
まとめ
天才的な経歴を持つ著者ですが、本書はどれも実効性のあることが記載されており、すぐに仕事に活かせます。
新人だけでなく、ベテラン社員にも是非読んでほしい内容が盛り沢山です。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。