継続力

IT系サラリーマンが、書籍や講座から学んだこと、効果があった勉強方法を紹介します。

日経コンピュータ 2020年8月20日号 〜守り切れない時代のクライアントセキュリティー〜

表紙は、「守り切れない時代のクライアントセキュリティー」です。

昨今目立つようになってきたセキュリティの問題だけでなく、富岳の開発者インタビューやAI問診等も紹介されていました。
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。

 

 

印象に残ったテーマ① 約5万件の医学論文を基にAI問診アプリを開発

新型コロナの感染が拡大する中で、病院に行きづらくなっていないでしょうか?
そんな悩みを解決するWebアプリ「AI受信相談ユビー新型コロナウイルス版」が紹介されていました。

本アプリには、利用者の適切な受診行動を支援することで、医療崩壊と受診控えの両方を解決するという狙いがあります。

コロナを機に、日本もオンライン診療に力を入れ始めていますが、お医者さんと時間を調整をせずに手軽に健康状態をチェックできるアプリはやっぱり便利ですよね。
AIを活用したアプリの更なる広がりが期待されます。

 

印象に残ったテーマ② オールジャパンで臨んだスパコン富岳開発

新薬の探索等、膨大な計算量が必要な分野への適用が期待される富岳の開発者インタービューが掲載されていました。

その中で、富岳開発の成功要因として、国家プロジェクトとして取り組んだ点があるという説明が印象的でした。
民間企業では成功するかどうか分からないものに多大なリスクを冒してまで大金を注ぎ込むことはできません。
このような、成功するかどうか分からないものに大きなリスクを冒してでも大金を注ぎ込む為には、国の協力が欠かせないということですね。


国家プロジェクトというと、やや税金の無駄遣いをしているケースが頭に浮かんでしますが、富岳の成功例で得た教訓を新しいプロジェクトに活かして行って欲しいものです。

 

印象に残ったテーマ③ 脱COBOLJavaに変換するOSS

COBOLの抱える将来的な保守要員の不足や、クラウドサービスとの連携が難しいという点を解決する為に、COBOLJavaに変換するOSSが紹介されていました。

果たしてどれだけ正確にCOBOLプログラムを変換できるのか気になるところです。
このようなツールを活用した、COBOLJava変換のベストプラクティスを共有し、2025年の崖への対策を迅速に進めることが期待されます。

 

まとめ

富岳のような一大プロジェクトを成功させた開発者がどのような方か知ることができました。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

【書評】川勝宣昭「日本電産永守重信社長からのファクス42枚」 〜魂を震わせる名言を紹介〜

本書には、現代を代表する名経営者「日本電産永守社長」が発した42個の名言を収録されています。

「仕事に対するモチベーションを上げたい!」と感じている人の琴線に触れる名言が盛り沢山です。

経営者だけでなく、あらゆる層のリーダーにおすすめの本です。 

 

本の紹介 

日本電産永守重信社長からのファクス42枚

日本電産永守重信社長からのファクス42枚

  • 作者:川勝 宣昭
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: 単行本
 

著者「川勝宣昭」氏は、早稲田大学卒業後、日産自動車で幅広いキャリアを積んだ後、日本電産に入社し、赤字企業の再建を担当された方です。
本書では、永守社長から著者宛に送られてきたFAXの中から、選りすぐりの42枚を紹介してます。

印象的なポイント① 経営者には逃げない姿勢が重要

「逃げたらどうなる?社員はどうなる?俺は絶対逃げるわけにはいかない、立ち向かうしかないのだ」と、自分自身い聞かせたものでした。
(中略)永守社長は人間のどこを見ているのでしょうか。
その人間が困難をどういう形で解決しようとしているのか、それを見ているのです。言い換えれば、その困難をリーダー自身が背負っているかどうかを見ています。

このことは、経営者に限らず、あらゆる層のリーダーにも当てはまります。
リーダーという立場を引き受ける以上、困難を自分事として捉え、逃げない姿勢が求められます。
非常に難しい姿勢ですが、リーダーたるもの、これだけの責任感が求められます。
逃げ出したくなった時に、思い出したい言葉です。

印象的なポイント② リーダーとしての成功とメンバーとしての成功は別物

「リーダーになる前、成功とは、自分自身を成長させることだった。あなたが達成したこと。あなたの業績。それが全てだった。
 リーダーになると、成功とは『他人を成長させること』になる。
 あなたの下で働く人たちをそれまで以上に賢く、大きく、大胆にさせることだ。
 個人としてあなたのすべきことは、チームを育てサポートし、彼らの自信をつけさせること。
 それ以外に何もない。
 リーダーの成功はあなたが毎日何をするかではなく、あなたのチームが輝かしい業績をあげるかどうかで決まってくる」

「管理している部下の顔を一人一人、一日のほんのわずかな時間でいいからチェックしよう。
 そして、部下こそもっとも大切な財産であることを、肝に銘じよう」 

リーダーになった時に、完全なる意識改革が必要であると気づかされる文章です。
強いチームを作ることがリーダーの責務なのですね。
仕事が忙しくなるとついつい自分自身の仕事に手一杯になってしまいがちですが、部下一人一人の成長をサポートする意識だけは無くさないように注意したいものです。

 

印象的なポイント③ 意識改革の徹底こそ経営者の仕事

「当たり前のこと」を管理項目として整理し、これを個人レベルではなく、会社全体で共有し、気持ちがいいほど徹底させることなのです。
(中略)日常管理力の強化こそ経営者の仕事だという意識が必要です。 

「自分の仕事において何が当たり前のことにあたるか?」
しっかりと意識できている人は少ないのでは無いでしょうか?
日々の仕事を漫然とこなすのではなく、「当然やるべきことは何なのか?」、「自分は当たり前のことができているか?」を意識して仕事したいものです。

計画どおり達成できたなら○印が記してあるだけ。8割ほど実現できた場合は△。8割以下なら×。たったこれだけです。
(中略)永守社長は、言い訳には関心がありません。(中略)「いつまで、できない理由をダラダラ喋っているんだ。大事なのは、どう戦うかだろう」と。

うまくいかない時に、ついつい、言い訳したくなってしまいますよね。
ただ、言い訳しても事態は好転しません。
未来の改善に時間を使わないと勿体ないですよね。
この言葉を肝に銘じたいものです。

 

まとめ

人によって琴線に触れる名言は違うでしょうが、どの言葉も非常にモチベーションが上がる良い本でした。
当たり前のことを当たり前に徹底できる人間になりたいと思わされました。 
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

日本電産永守重信社長からのファクス42枚

日本電産永守重信社長からのファクス42枚

  • 作者:川勝 宣昭
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: 単行本
 

【書評】ハーバード・ビジネス・レビュー 2020年 9月号  〜戦略的に未来をマネジメントする方法〜

表紙は、「特集 戦略的に未来をマネジメントする方法」です。

アフターコロナのニューノーマルへの適応方法が今回のテーマです。

ニューノーマルに適応するためにすべきことは、「未来を予測すること」、「予測した未来に現実を適合させること」、「不測の事態に備えること」です。
言葉にすると簡単ですが、実践は非常に難しいですよね。

しかし、世の中には、このような高難易度なことを、実践している経営者がいるんです。
その代表格、日本電産会長「永守重信」氏の話が印象的でした。

  

 

印象に残ったテーマ① 未来を予測し、周囲に知らせることが経営者の役割

 創業者にとって会社は自分の体みたいなものだから、どこかに異変があればすぐに気がつくし、寝ても覚めても経営のことを考えていて、この会社は絶対に潰してはいけないという意識が頭を離れない。だから、小さな変化の予兆に対して、勘が働くんでしょうね。
 グループ全体の社長をつかまえて、「君のところはいま10%の営業利益率だけど、15%は出せるようにしておかないと来年は赤字になるぞ」といったことを、昨年から言っていました。

 

このようなことをコロナ禍の前に言っていたというのだから驚きです。

一般社員が自分のタスクだけに注力しているのに対し、経営者は未来を見続けている必要があるのですね。

経営者自身が世の中の小さな変化の予兆を見逃さないことで、今回のコロナ禍でも揺るがない強い会社が作れる。
経営者としてのプロ意識が感じられる記事でした。

 

印象に残ったテーマ② 予測した未来に現実を適合させる

経営者自身が明るい未来を創造し、現実に適合させる実例として、永守氏が50年計画で「売上高を1兆円にする」という目標を立て、実現させた話が非常に印象的でした。
未来を予測することで、行き当たりばったりの経営ではなく、未来に近づけるための戦略を考えて実践する経営が可能になるのでしょう。

 

印象に残ったテーマ③ 不測の事態に強い経営体質を作る

日本電産が設備費や人件費等の固定費を、リースや人材の契約形態を変えることで変動費化しているという記事が印象的でした。
一般的に手を付けづらいところについても、何か柔軟化できることがないかを考えて手を付けていく。
未来を先読みし、常に改善を繰り返すことが重要なのですね。

 

まとめ

兎にも角にも、未来を予想し、実現に向けて戦略を立てる重要性を感じさせられる記事でした。
他にも非常にためになることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

日経コンピュータ 2020年8月6日号 〜新型コロナ時代の在宅勤務 一時しのぎで終わらせない次の一手〜

表紙は、「新型コロナ時代の在宅勤務 一時しのぎで終わらせない次の一手」です。

在宅勤務のために導入したインフラを、新しいビジネスや働き方に活用した事例が多く紹介されています。
また、エンジニアとしての技術力の重要性についても考えさせられる記事が紹介されていました。

 
数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。

 

 

印象に残ったテーマ① 脱VPNは在宅勤務だけでなくM&A後の統合にも役に立つ

武田薬品がZscaler Private Accessを使用することで、VPNを介さずに社内業務アプリケーションを利用できるようにしたという記事が紹介されていました。
これにより、多くの社員がテレワークを実施する武田薬品のような大企業であっても、VPN渋滞を回避できているようです。

これまでの日経コンピュータで、VPN渋滞を回避するために、インターネット経由で社内アプリケーションにアクセスする、ゼロトラストネットワークの導入が進んでいるという記事が数多く紹介されていました。

武田薬品の狙いはVPN渋滞の回避だけではありません。
武田薬品は、システム統合時のVPNネットワーク設定を不要にするという効果も見据えていたようです。
これにより、システム統合のスピードが格段にアップします。

このように、経営判断による環境変化に、システムを素早く適応させるためにも、このような最新トレンドの技術を素早く活用していく必要性を感じました。

 

印象に残ったテーマ② ニューノーマルに適応したサービスや会議の実例

今や当たり前となりつつある在宅勤務のために導入したインフラを利用した、新しいサービスや新しい会議の開催方法に関する記事が紹介されていました。

積水ハウスは、住宅展示場への来客が減少している事態を受けて、VRを活用した住宅展示サービスを開始したようです。
また、リクルートは、移動や参加人数の制限を受けにくいTV会議の利点を活用し、経営層と一般社員の対談会議をオンラインで開催することで、経営方針の一般社員への浸透を狙っているようです。

ニューノーマルに適応したサービス、働き方として、自分の業態でもマネできることはないかを考えさせられる記事でした。

 

印象に残ったテーマ③ ITの世界は実行力が命

動画共有サイトドワンゴ」のインフラ改革を1年で成し遂げたKADOKAWA執行役員KADOKAWA Connected社長「各務茂雄」氏の記事が紹介されていました。
その中で、「KADOKAWAのIT部門はシステム開発などを外注していた。高コストで仕事のスピードが遅く、品質も悪くなりがちだった。ITの世界は実行力が命。解決策としては力のあるエンジニアを連れてくるしかない。」という言葉が印象的でした。

DXの流行により、短期間で新サービスを作り上げる必要がある世の中で、真っ先に選ばれるエンジニアになるために、技術力を磨いていく必要性を感じました。

 

まとめ

在宅勤務自体への対応は、各社ひと段落したのか、アフターコロナを見据えた記事が多く紹介されていました。 
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

【書評】早稲田大学ビジネススクール「ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門 」 〜経営者になるための必須知識を紹介〜

MBAは難しいものというイメージは無いでしょうか?

私はそのようなイメージがあり、本書を全部読みきれるか心配していました。
ただ、読み始めてからは、あっという間。
本書の説明はとにかく読みやすく、理解しやすい。

本書を読み終える頃には、一段高い視座で世の中を見ている自分に出会えるはずです。 

 

本の紹介

『仮説思考』の内田和成教授、『見える化』の遠藤功教授ら、早稲田大学ビジネススクール(WBS)の人気教授陣が全12章を分担して本書を執筆しています。
MBAで何を学ぶかの全体感と、経営者・リーダーとして持つべき志を教えてくれる素晴らしい本です。 

 

印象的なポイント① 経営者を目指すための姿勢

経営者を目指すなら、日ごろから経営者に求められる高いレベルを目指して、経営能力を上げるように努力をしていく。これを心掛けないと、経営者になった時、求められる経営能力と実際の能力に開きが出てしまいます。 

経営者になってから自分の能力不足に気づくと地獄ですよね。

経営者は孤独。
誰も助けてくれないはずです。

そうならないために、経営者になる前から能力を伸ばしておく必要があるのですね。

 

周りがどう言おうと、先取りして経営能力をつくり上げる準備をする。経営者を目指す人は、ステイ・フーリッシュになって、一歩を踏み出してください。常識にとらわらず自分のビジョンをきちんとつくって、ライフワークとして経営者になるためのステップを踏んでいってください。
仕事とプライベートは別だというのはあり得ません。経営者は全身全霊をかけて仕事に没頭することが大事です。スティーブ・ジョブズの給料は1ドルでした。彼にとってお金は目的ではなかった。ジョブズのように、仕事を通じて自己実現するくらいに完全燃焼していかないと、これからグローバライゼーションがますます進む中で、企業を成長させていくことなどできません。
経営者を目指す人は、まず日々の仕事の取り組み方を少し変えることから始めてみましょう。例えば課長なら、その課をどうしたいのかというビジョンとロマンを掲げ、ビジョン実現のための戦略とオペレーションに落とし込んでいくのです。事業をリードできる経営者になるには、取締役より数段上の高い能力が必要です。係長や課長のころから、要求されているよりも次元の高いマインドを常に持ち、人がしない努力をして、挑戦的な目標に向かい続ける。つまり、ハングリー、フーリッシュであり続けることが大切です。

経営者になるために、高い目標を持って仕事していきたいと奮い立たされる文章でした。

例えば、ITプロジェクトのマネジメントにおいては、単にQCDを守るだけでなく、「プロジェクトチームをどうしていきたいか」、「顧客との将来の関係性をどうしたいか」、「仕事の幅をどうやって広げっていきたいか」等、設定すべき目標は山のようにあります。

自分自身、単にQCDを守ってリリースするという目標だけでなく、1段高い目標を持ってマネジメントしたいと思いました。

 

印象的なポイント② 「収束」がマネジメントの本質

マネジメントという言葉の意味は一見さまざまですが、全体を貫く芯のようなものがあります。それは「収束」です。
物事は壊れて散らばっていくばかりで、自然に整頓されたり形づくられたりはしません-そのことを物理学では「エントロピー増大の法則」といいますが、仕事をしていく上でも同じことがいえます。放っておけば散らかってしまうものを、片付けていく。何とか、カタをつけて丸く収めていく。それが、「マネジメント」のイメージです。
(中略)
それではマネジメント(収束)とディベロップメント(発散)は、どういう関係にあるのでしょうか。木と植木屋さんの関係を思い浮かべてください。木がどんどん枝葉を伸ばしていく。それがディベロップメントのイメージです。でも生え放題では美しくもないし栄養も分散するから木のためにならない。だから植木屋さんは、剪定して、ちゃんと形を整えてあげる。それがマネジメントのイメージです。 

マネジメントについて様々な本を読んできましたが、ここまで一言で言い表した本には初めて出会いました。

「収束」
本当にマネジメントの本質を捉えていると思います。

ITプロジェクトに関して言うと、品質、進捗、コスト等、様々な面で、何も手たないと、当初の予想とはかけ離れた状態に散り散りになってしまいます。

そうならないために、チェックポイントを設け、目標に収束するように手を打ちます。
ことあるごとに、「自分はちゃんと剪定できているか?」ということを意識してマネジメントしていきたいものです。 

 

印象的なポイント③ リーダーは整合性が取れた戦略を考え続ける必要がある

ここで大事なことは、ジャパネットたかたの将来を予想することではありません。ビジネススクールで議論する時には、成功した理由だけでなく、抱えている課題、予想される課題についても考えていかなくてはいけないということです。
ビジネススクールで学ぶことは、みなさんがリーダーとして実際に意思決定をする時に役立たなくては意味がありません。戦略は整合性が大事だということ。整合性が取れた戦略で成功したとしても、そのまま成長を続けられる保証はないということ。だから次なる戦略を考えていかなければいけないということ。そいうことを忘れないでいただきたいと思います。 

この内容は、ビジネススクールでの授業の受け方だけでなく、実際の仕事にも役立つと思いました。

プロジェクトマネジメントする際に、「将来目指したい姿と整合性が取れた戦略を考える」、「その戦略を実行に移す上での課題」、「戦略を実行に移した後に次に待ち構えているリスク」を考え続ける必要があります。
そして、「そのリスクに対して、次なる戦略を考える」ということを繰り返し続ける必要があります。

常に考え続ける必要があり、大変な仕事です。
経営者になるためには、この大変なサイクルを回し続ける体力、知力が必要なのですね。
普段の仕事から、この点を意識して、経営者になった時に困らないように、スキルを磨いていきたいものです。

まとめ

本書を読んで、MBAについてもっと深く学んでみたいと思いました。
こんなに素晴らしいことが学べるならと、ビジネススクールにも行きたくなる本です。
他にもためになることがいっぱい書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

【書評】日経コンピュータ 2020年7月23日号 〜ローコード革命 アフターコロナのDXを乗り切るカギ〜

表紙は、「ローコード革命 アフターコロナのDXを乗り切るカギ」です。

DXを進めるために不可欠な高速開発の手段として、ローコード開発が紹介されています。
コーディングが完全に不要になる可能性を秘めたパワフルな手法を知ることができます。

数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。

 

 

印象に残ったテーマ① ローコード革命による大幅な納期短縮、迫られる上流シフト

コードをなるべく書かない「ローコード開発」が浸透しつつあるという記事が紹介されていました。
既にマイクロソフトセールスフォース・ドットコム等はローコード開発ツールに力を入れています。

ローコード開発により、従来1年以上開発に要していたような案件が数ヶ月で終わったり、コーディングしない分、製造等の下流工程の仕事が減り、要件定義などの上流工程の仕事の重要性が高まっていくようです。

昨今のDXの流行の中で、開発スピードの重要性が高まっているため、SIerもローコード開発スキルを身につける必要があると感じました。

 

印象に残ったテーマ② みずほの勘定系刷新の成果

みずほが勘定系の刷新に成功したことによるメリットがいくつか紹介されていました。

例えば、顧客情報を一元管理したことで、事務センターの集約による効率化が行え、これまで後方事務を担っていた人員を顧客と向き合うフロント業務にシフトさせることが可能になったようです。
また、開発期間の大幅な短縮にも成功し、着実に勘定系システムの刷新による成果が出始めているようです。

このような話を見ると、大変な痛みを伴ってでも、2025年の崖に直面する前に、会社の重荷になっている勘定系システムを刷新し、効率化していく重要性を感じました。

 

印象に残ったテーマ③ IT担当者はプロCIOを目指すべき

前号に引き続き、プロCIOに関する記事が紹介されていました。
これからDXを推進するためには、その指令塔となる優秀な人材が必要なため、プロCIOのニーズが高まるということなのでしょう。

DXを推進するためには自社の人材だけではスキル不足になる可能性があるため、積極的な中途採用が必要です。
その際、自社のCIOが他社のことを全く知らないようなようでは、優秀な人材を見極めることができず、優秀な人材が集まりにくくなってしまいます。
そのため、転職を経験している、広い視点を持ったCIOの存在価値が高まっているようです。

このことから、IT担当者は終身雇用を信じて1社に留まるよりも、自分の価値を高めるために積極的に転職し、チャレンジする姿勢が求められていると思いました。
今の楽を取るよりも、将来の自分の価値を高める行動に重きを置くように気をつけたいものです。

 

まとめ

ローコード革命のように普段の業務では関わることがない知識を幅広く得られるのが日経コンピュータの良いところです。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

【書評】日経コンピュータ 2020年7月9日号 〜ハンコをなくそう 契約・精算・行政、「デジタルの壁」突破法〜

表紙は、「ハンコをなくそう 契約・精算・行政、「デジタルの壁」突破法」です。

コロナ後に広がりを見せている各種業務の電子化の動きや、小売店の省人化の取り組み等が紹介されています。
また、プロCIOという働き方についても紹介されています。

数ある記事の中から、私が印象に残ったテーマを紹介します。

 

 

印象に残ったテーマ① スマホで顧客自身がレジ打ち代行

食料品スーパー大手のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)が、顧客が自らのスマホで商品バーコードを読み取り決済できるサービス「Scan&Go」の本格展開を始めた記事が紹介されていました。

レジの省人化に関しては、「Amazon Go」が有名ですが、「Amazon Go」の導入にはセンサーやカメラ等が必要であるため、初期導入のハードルが高いという課題がありました。
この「Scan&Go」は、今やほぼ全ての人が持っているスマホを活用するため、店舗にとって導入のハードルが低いというメリットがあります。
コロナウイルス拡大により、レジ前の混雑を避けたい状況ですので、このようなレジの省人化サービスにどんどん進歩して行って欲しいものです。

 

印象に残ったテーマ② NTTデータがサービスデザイン強化のために新ブランド立ち上げ

NTTデータがサービスデザインに関わるデザイナー集団組織「Tangity」を立ち上げた記事が紹介されていました。
サービスデザインでは、単なるシステムの開発ではなく、サービスを使う人の視点に立ち、より良いサービスの設計を目指します。
NTTデータのような大企業の動きに追従する企業がどんどん現れるでしょう。

このようなユーザ視点に立ったサービス設計スキルを磨くために、多くのサービスに触れたり、幅広いコンテンツからの情報収集に力を入れる必要性を感じました。

 

印象に残ったテーマ③ プロCIOという働き方

チューリッヒ保険のCIO「木場武政氏」の活躍が紹介されていました。
チューリッヒ保険といえば、保険業界という個人情報の取り扱いが厳しい業界において、コロナ対策として、いち早く在宅勤務の活用に乗り出した企業ですね。
なぜ、これだけ早い導入ができたのか疑問でしたが、木場氏のようなプロCIOの活躍によるところが大きかったのでしょう。

木場氏は「ITを駆使して企業の業績を伸ばすのがCIOの本質的な役割」という考えを持っています。
ITをビジネスに活用するスキルがCIOには必要なのですね。

IT部門だからといて、ビジネスに無頓着で良いとはならないため、高い視座で物事を見る癖を付けていきたいものです。

 

まとめ

世の中の動きを正しく理解し、ユーザ視点に立ち良いサービスを設計するスキルがSEに求めらつつあることを再認識させられました。
他にも、非常に勉強になることが書いてあるので、ぜひ読んでみてください。